国立西洋美術館
ウィリアム・アドルフ・ブーグローinnocence純潔ブーグローは19世紀フランスの巨匠でアカデミズム絵画の典型的な画家。新古典主義。静謐な高潔さが滲み出ている。母親と思われる女性が乳幼児と子羊を同時に抱くというのは非現実的であるが、不思議と違和感が無い。何か寓話か聖書などからのシーンかもしれないが不明。 アンゲリカ・カウフマン はロンドンで活躍した女流画家。パリスを戦場に誘うヘクトール 1770年新古典主義叙事詩「イリアス」の場面から。スパルタの王妃ヘレネとの恋に溺れるトロイアの王子パリスに対し、兄のヘクトールが戦争に行くぞと諌めている。パリスの戦争に否定的な表情、ヘレネのパリスに留まって欲しい仕草が完璧に表現されている。女流画家らしく非戦闘的な絵である。珠玉の絵画だと思う。 賑やかな収穫の場面を描いた作品。左下の女性と麦の束を大きく描き、右上の麦藁を積んでいる男性とその上の馬を実際より小さく描く事で遠近法で誇張して絵の奥行きを広くさせている。そしてより収穫の規模を大きく見せている。 パブロ・ピカソ小さな丸帽子を被って座る女性 1942年愛人ドラマールをモデルに描いた作品。ピカソと言えばキュービズムだが、比較的デフォルメは少ない作品だという。とは言え目の高さは大きくズレているし、手の大きさも尋常ではない。しかし全体を俯瞰するとそういうデフォルメはあっても不思議と全く違和感がない。