『ぼくお母さんの子どもでよかった』
「ぼくお母さんの子どもでよかった」 アドラー心理学の愛と勇気づけの子育て子どもが問題を起こせば、その責任を負わされるのは、多くの場合母親です。そして、その責任を過剰に意識した母親は、子どもに密接に関わり、思いどおりに育てようとしてかえって子どもとの関係を悪化させていきます。そうなると、親も子も負担が大きくなり、お互いに傷つけ合い、果ては家庭の崩壊すら招きかねません。私たちは、このような家族をたくさん見てきました。こんな ”まえがき” から始まるこの本は、私にとても多くの事を教えてくれました。子ども達にあれこれと口うるさく言っていた私。そんな私に、反抗ばかりして、ちっとも言う事を聞いてくれない子ども達。責任を過剰に意識している母親って、まさに私の事だと思いました。今まで、いろいろな育児書を読んできた私(爆)でしたが、この本で、とてもスッキリしたんです!この本を読む少し前に、「子どもへのまなざし」を読んでいて、これもとても良い本だったのですが、「ぼくお母さんの…」を読んで、「子どもへの…」で、佐々木正美先生(児童精神科医)が、言われたかった事も、深く理解できたんです。七田教育の「ほめて認めて愛して育てる」というのもそうなんですが、現在良い、とされている育児が、みんなつながっている様に思えたんです。(ちなみに、アドラー心理学の育児は、ほめない。勉強しろと言わない。という考え方なので、七田教育とは全く違うように思えますが…でも、なんだか私の中では不思議とつながったのです。)ほめる、とはどういう事か。甘やかす、とはどういう事か。などなど、ところどころ出てくる表がとても解りやすかったです。(^^)子どもの自立を目標に子育てをしていると、目先の行動に振り回されることがありません。子どもの自立を目標に子育てをしていると、誰が責任をとる問題なのかを考えるので、親は忙しい思いをしなくてすみます。子どもの自立を目標に子育てをしていると、子どもの失敗は、子どもが成功するチャンスと考えるので、冷静に対応できます。子どもの自立を目標に子育てをしていると、子どもを勇気づけるこどが自立への近道だとわかるので、子どもとケンカすることが無意味であるとわかり、トラブルを避けるようになります。子どもの自立を目標に子育てをしていると、協力することの楽しさを子どもに伝える工夫を考えるので、親自身がいきいきするようになります。などなど、子どもの自立、についても考えさせられました。そして…気になったのが、昨年皇太子さまが会見で、「最近非常に感銘を受けた」として朗読されたドロシー・ロー・ノルトの『子ども』(あなた自身の社会から抜粋)という詩…批判ばかりされた子どもは非難することをおぼえる殴られて大きくなった子どもは力にたよることをおぼえる笑いものにされた子どもはものを言わずにいることをおぼえる(以下略)とても有名ですよね。この本(「ぼくお母さんの…」)の中では、アドラーの後継者、ルドルフ・ドライカース(1897-1972)が書いたやる気を引き出す教師の技量という本からの引用、という事で似ている文章が紹介されていました。もし、子どもが批判にさらされて生きているのであれば、非難することを学ぶでしょう。もし、子どもが敵意のなかでいきているのであれば、闘うことを学ぶでしょう。もし、子どもがあざけりのなかで生きているのであれば、内気になることを学ぶでしょう。(以下略)私はどちらの本も読んでいないので、どちらかが引用したのか、たまたま同じようなことを考えていたのか、ドロシー・ロー・ノルト(子どもが育つ魔法の言葉などで大人気ですよね。)が、アドラー心理学を学んでいたのか…は、解らないのですけれど。(^^)私は、最初図書館で借りて、とても良い本だと思ったのでヒューマンギルドで購入しました。(書店には置いてないかもです。)お勧めですっ!!