|
テーマ:心のかたち、人のかたち(952)
カテゴリ:生きる意味
50才代前半のがん患者様ご夫婦のお部屋で
『先に逝って、ごめんな』 窓の外を眺めて、一言つぶやく だんな様が奥様へ発した言葉 しばらくの沈黙・・・ 40才代後半のがん患者様 『しばらく、体をさすってください。忙しいところすみません。』 背中の骨に癌が転移して、激痛が走る その度に、誰かがそばにいないと不安でたまらなくなる 背部をマッサージしていると流涙されている 沈黙の中、マッサージをひたすら続ける・・・ 30才代後半のがん患者様 『生きている意味がありません。死なせてください。 目を覚ましたくないので、眠らせてください、そして そのまま逝かせてください。』 ずっと天井をみつめている 沈黙・・・・ 70歳代のがん患者様 『先生とお話がしたいの。呼んでくれない?あなたには失礼だけど 若いでしょ。若い人に話しても、理解できないと思うのよ。 ある程度、人生経験をしている人じゃないとね・・・』 夜中の0時にナースステーションまで来られて険しい表情で話される。 主治医は家に帰ったので、お昼間に来られたらお伝えしときます・・・ なんて話しても、お部屋に戻ろうとしません しばらくの沈黙後・・・ いろいろ身の回りのことを一通り話されて、お部屋に戻られる 朝方、訪室すると 『あら、体操着着て、今から体育の時間?』 混乱されている・・・体操着ではなく、白衣です・・・ 昨日の夜勤での出来事・・・ 沈黙・・・ わたしの一番苦手な沈黙 曖昧な、その場しのぎの言葉などは通用しない 悲しくて、辛くて、押しつぶされそうになる沈黙 いろいろな感情が混ざり合う沈黙 難しい・・・ホスピス病棟 死と向き合う、向き合えない、人生経験豊富な患者様を目の前にし 私は、いったい何ができるのだろう お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[生きる意味] カテゴリの最新記事
|