カテゴリ:^з^
私は記憶を残せない病気です。いや・・・残さないと決めているのかも。 そのくらい良く忘れるのです。 そんな私が覚えている事には、イチイチ自分で記憶に説明が付きます。 ある鮮明な記憶です。かなり年月が経っているので、おそらく脚色されている物と思われますが。 ある日、母と父の実家に遊びに行った。初めてその家にはいったのだ。 玄関を上がるとリビングに続く廊下があり、(廊下という空間を始めて見た)その廊下の突き当たりに、食器棚の様な、二枚扉の木の棚があり(この棚はこの家に来た人が、皆目に付くところに置かれた飾り棚だと思う)、私は何気にその棚を覗き込んだ。 いやぁ~驚いた。棚の中には細々とした、小さな木彫りの人形や、鈴、こけし、小さなペナントなどなど、所狭しと綺麗に種類別で並んでいた。 可愛くて、綺麗で、まるでお店屋さんのようだと感動した。一つ一つをガラス戸越に「これは何?これは何?」と家の人に質問した。夢の様な棚だった。私はその棚からなかなか離れなかった。 その当時の私の家は、生活の場であり、そこは食べて、お風呂に入って、話をして、寝る場所だった。来た人に見せるという視点はどこを探しても皆無だった。実用性のみの部屋だった。しかし快適で、そのごちゃついた、狭い狭い部屋が私は好きだったなぁ 好きだったのと同時に、家や部屋はそういうものだと思ったいたし、「見せる」「飾る」の世界が、「部屋」に存在出来るとは思わなかったのです。インテリア雑誌なんてのも無い時代です(^-^)。 それ以来、何か細々として、同じようなテイストの物を集めているようだ。しかし、今にしてそう思うのであって、最近までこの記憶は封印されていたかのように、思い出されなかった。 何をキッカケに思い出したかといえば、娘の友人が我が家に遊びに来て、我が家の飾り棚をキラキラした目で見ているのに気が付いた時なのだ。「あっ!私も同じように飾り棚があるのを見て驚いてたぞ!中の小物全部を一個一個見ていたぞ!」と。 あ~私はあのおばあちゃんの飾り棚の中を覗いた日から「自分の家にも飾り棚を置き、好きな小物をいっぱい並べたい」と思っていたんだぁ~って 思うと、一気に関連する色んな記憶が蘇って来ました。 そして娘の友人の中の誰かも、いつかこんな風にうちの棚を思い出すのかな?そんな風に想像したら、なんだか楽しいなぁ~。 私のおばあちゃんが死んでから、もう何十年も経つけれど、こんな風に記憶の引き出しが開くというのは嬉しい発見だ。忘れているのではなく、入れてある引き出しを開けてないだけなんだと思えたの。 私の中の記憶の引き出しは、キッカケがあると開くのです。そう思うと、それほど馬鹿でないと思えるのでちょっと安心(^-^)ちょっと嬉しいのでした。あの棚は、今はどうなっているのかなぁ~? 玉手箱が勝手に開いたら、それはそれはキラキラした、幸せな記憶なのでした。やったぁ!
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 23, 2006 11:51:47 PM
[^з^] カテゴリの最新記事
|
|