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金曜の夜に予定の無いのはここ半年ほど続いていたし、確かに今日も予定は無い。
でも、何かが腑に落ちなかった。 そんな私を知ったように、当たり前のように指図したマヌエルにも腹が立った。 でも、それよりも彼に対して恥ずかしかったのかもしれない。 きっと今頃、レイチェルは既にニューヨークのプラザのスイートでシャンペンでも飲んでるんだろう。 それに引き換え私は。。。 そんな私の思いをロブは知ってか知らずか、嬉しそうにしてる。 そんな彼を見て、ますますイライラした。 舌打ちしそうなのを抑えて私はオフィスへと戻った。 勿論、下僕のようにロブは私の後を追う。 その気配さえも、泥臭い。 「では、食事でもしましょうか?何かお好きなものでもありますか?」 私は無理やりに作った笑顔を貼り付けて聞いた。 「えっと、そうですね、うーん。。。」 私の目を見るのが恥ずかしいのか、ロブはもじもじと足をカーペットに擦り付けながら下を向いた。 「えっと、あなたは、確か、日本人ですよね?それでしたら寿司はどうですか?僕も寿司大好きです」 「寿司ね。。。そうしたら寿司六がビバリーヒルズにあるわ。そこはどうでしょう?」 ロブはまだ下を向いたままだ。 なんて男。 クライアントじゃなかったらこんな男、一発殴ってやるのに。 「え?ああ、良いですね」 ロブが初めて私の顔を見た。 私は思わずハッとした。 めがねの奥の目が私を捕らえた。 どこかで見たことがある目だった。 続く。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.04.05 04:45:45
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