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私は始めてそこで気がついた。
ロブに会ってから、どこかで彼と同じ目を見たことを。 ロブのメガネの奥の目は、昔、私が死ぬほど愛した男と同じ目だった。 昔。。。 ううん、本当はそんなに昔のことでは無い。 たった、3年前のこと、でも、私の中で無理矢理に封印していた。思い出すのも辛い、彼との2年間。 死ぬほど愛して、そして、死ぬほど憎んだ。 タイラー。。。 その男と同じ目を持つのがロブだった。 そして、ロブは皮肉なことにタイラーと同じ香水も使っていた。 香りは、人間の六感の中で一番強く印象に残る。 ああ、何で今まで忘れていたのだろう。 いや、忘れていたのではない、忘れようとしていたのだ。 忘れようとしても忘れられなかった唯一の男。 薬に溺れたり、アルコールに身を任せてみても忘れられなかった。 自分をいじめればいじめるほど、心の片隅に置いたはずの思い出をくっきりとした輪郭を持って思い出させたっけ。 やっと、少しずつだけど、忘れていたのに。。。 何で今更になって? 「大丈夫かい?キミエ?」 ロブの言葉が自信に満ち始めていた。 気がつくと私はロブの胸に飛び込んでいた。 「キミエ、部屋に、来ないかい?」 続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.05.02 08:22:27
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