カテゴリ:会計
個人経営の飲食店につき、年間の決算を終えたので、計数管理についてまとめてみたい。
数値管理が必要なのはどの業界でも同じだが、飲食店に関しては第一に原価率、第二に月次損益、第三に設備投資計画ということになろうか。これらをどのような形で提供していくかにちょっとしたノウハウが必要になる。 1.原価率 これは最重要関心事であり、事後報告は許されない。リアルタイムで把握するための仕組みが必要だ。具体的にはエクセル等でレジ(レシート)集計を行い、そこへ納品書を基に食材費を加える。極めて単純な表だが、これによって毎日の原価率の推移をリアルタイムで把握できるようになる。腕のいいオーナーならば、月初の不調を月末までに調整することができる。意識するかどうかが問題なので、リアルタイムには拘らなければならない。 2.月次損益 通常の会計処理だ。これによって毎月の会計報告をするのは他の業種と何ら変わらない。この延長線上に決算がある。1度でも年間決算を経ると色々発展させることができる。まずは経費率の把握だ。飲食店で注目すべき経費は、人件費と家賃だ。これらを含めて販売管理費率を把握しておくと、先の原価率と合わせて売上だけから容易に最終利益を予測できる。飲食店ではその他一般管理費の変動が少ないからだ。 次に季節指数の把握だ。年間の売上変動を把握しておくと、目先の変動に一喜一憂しなくて済む。これらはグラフにして予測値と実績値を絶えず見える形にしておきたい。 3.設備投資計画 飲食店では、調子が良いとなると多店舗展開がすぐ視野に入る。その際、一番の問題は人材と資金調達だ。人材に関しては個別重要テーマなのでここでは触れないが、資金調達計画は中長期的な対策が必要だ。上記1・2の積み重ねで外部に対するプレゼン能力を高めていくと同時に、すべてにおいて将来を見据えた計画と行動が必要になる。 上記は一般論だが、これを個別企業(店舗)に当てはめていくと、当然ながら固有の事情を盛り込まなければならなくなる。そのプロセスで独自のコンサルティングノウハウが蓄積されていく。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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