カテゴリ:マネジメント
この日曜日、某所でビジネスプランコンテストに参加した。私はアドバイザー席での聞き役だったが、メンター席には現役ベンチャー社長が居並び、プランに対して様々な意見が出ていた。演出効果も手伝って中々華やかな場面だった。
私自身はといえば、一向に気分が盛り上がらず、腹に一物抱えたまま懇親会へと突入した。酒を飲んでも気分が変わらないので、他のアドバイザーに振ってみた。 私:「今日の発表会でキーワードをつけるとしたら?」 ア:「マッチング」 私:「やっぱりそうか」 私の心に引っかかっていたのも「マッチング」だ。最近のビジネスプランの傾向としてこのマッチングがやたらと多いような気がする。道具としてITを駆使するのも共通している。私は決してマッチングを否定している訳ではないのだが、こうも連発されると審査員のセンスを疑いたくもなるし、事業に対する軽薄さが強調されるような気もする。今回は400件以上から選ばれた7件なのでなおさらだ。 マッチングが真価を発揮するのは、1+1=3以上になるときだ。いわゆるシナジー効果というものがあってこそ利益の源泉足りうる。ところが最近のプランは、その部分の裏付けが乏しく、結果として安易さや軽薄さを感じてしまう。 こういったビジネスを展開すると、初期段階で資金繰り問題が立ちはだかる。それを安易に外部からの出資で賄おうとする傾向があるのだが、資金調達とはそんなに簡単なものではない。日頃地道に商売をしている事業者を相手に仕事をしていると、その安易さがより浮き彫りになる。 資金調達といえば出資や借入が代表的だが、根本的には利益を計上しなければ継続性を保てない。その利益とは世の中に価値を提供することの対価だ。大多数の事業者がその価値創造活動を目立たないが地道に続けている。華やかな舞台でプランを発表する者、そのプランに成功者として意見を述べる者、それはそれで結構だが、事業者の本当の姿を知ろうとしなければ、いずれ不幸な場面に遭遇するだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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