カテゴリ:カテゴリ未分類
「ちゃんと行政書士で食っていけてますか?」
初対面の行政書士有資格者が私の名刺を見ての第一声だった。哀れみの情感漂う質問だった。 「何とか細々と食いつないでいます」 私としてはこのように答えるしかなかった。 行政書士業界ではよくある光景だ。同業者の集まりなどで黙って座っていると、先輩から同じように問いかけられることもよくある。この場合は先の質問とは意味が少し違って、後輩への気遣いから来る質問だ。いずれにせよ、行政書士は食えないという前提に立っていることには違いない。 独立した行政書士は、行政書士であると同時に経営者でもある。食えるか食えないかは経営者としての資質の問題であって、行政書士であることが決定要因にはならない。何らかの経営目的を達成するための土俵が行政書士であるということであって、行政書士の資格そのものに経営上の意味があるわけではない。従って、「行政書士は食えるか?」と問われれば、「人によりけり」という答にしかならないだろう。 行政書士に限らず士業の世界では法律で規定された専門業務があり、他士業の専門業務を犯してはならない。これを捉えて○○士は××業務ができないから不利だと考える人がいる。一方で、××士は○○業務ができるからこれを突破口に業務探求していこうと考える人もいる。経営者の資質という点で考えると、どちらが「食える」タイプかは明らかだ。 行政書士である私に哀れみの言葉をかけてくれる人は多いが、その気遣いには素直に感謝するものの、これでも結構楽しく毎日を過ごしているのでご心配なく。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|