カテゴリ:マネジメント
今日はある会社の定例の経営戦略会議に出席した。社長以下取締役4名+私と他のコンサルタントが1名。会議の趣旨は先月の検証と今後の戦略の構成だ。いつものことだが、議論は活発に行われ、私はほとんど静観していた。一通り終わって取締役2名が東京へ帰るため退席してから事件が起こった。
私の担当である資本政策に話が移り、結論的には時期尚早ということで作成していた資本政策表の説明を飛ばし、現状と直近の課題について意見を述べたところ、もう一人のコンサルタントが噛み付いてきた。感情むき出しで明らかに喧嘩腰だ。彼は某公的機関所属で然るべき地位の人だ。そういう方が私の言葉尻一つまで捕まえてつっかかってくる。一応反論はしたものの、どうしても議論が噛み合わない。要するに私を蹴落として自己の正当性を主張したいのだ。 私が中途半端な返答しかしないので、余計に攻め立ててくる。見かねた社長と取締役が仲裁に入ったが、一向に攻撃の手を緩めない。しかし、私にはまともに議論する気は無かった。一対一なら時間無制限で受けて立つが、経営者を交えた席で会社にとって建設的ではない議論をしても意味がない。コンサル同士が争いをするなど見苦しいだけだ。 相手の主張を聞いていてあることに気が付いた。コンサルとしてのポジションの捉え方が全く違うということだ。私は社長の感情や非数値的なことなどアナログ的な部分を重視する。本気になった命懸けの経営者にコンサルがかなうはずがない。コンサルとしては、せいぜい社長が進むための障害を一つでも取り除くことぐらいしかできない。コンサルが経営の先導役を果たすなど到底不可能だ。 この考え方は社長の考えを最重視する。社長の考えを肯定するところから仕事が始まるので、周りから見ると「甘い」と写るようだ。他のコンサルが私を攻撃するのはそういう面を見ているからかもしれない。本当はこのような姿勢はコンサルとしては不適格かもしれない。もっと物事をデジタルで考えなければならないかもしれない。しかし私は他のコンサルがどうあろうと、この姿勢が私自身のスタイルだと思っている。 私自身はコンサルであると同時に個人事務所の経営者であり、法人の代表取締役でもある。過去には事業で失敗した経験もある。そこで見つけた「経営者力」というものを本気で信じている。感情的に非難されて決して気分よいわけではないが、これが私の信念だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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