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はみ出し行政書士

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2006年06月07日
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カテゴリ:マネジメント
会社をたたむかもしれないという経営者から緊急の相談を受けた。急なことだったので何ら前準備する暇も無く先方に出向いた。私には手持ちデータが何も無かったので、取り敢えずは経営者の嘆きを聞くことに専念していた。聞くほどに悲惨な状況である。

一通り話を聞き終えて、客観的な状況把握をするために数値データの提供を求めた。これがまたビックリだ。年商数億円もある企業のものとはとても思えない杜撰なものだった。税理士さんに数値面をお願いしていて、税金だけはきっちり払っている。しかし、出てくる書類はほとんど手書きで、データとして活用できそうなものは無かった。

仕方がないので、資産負債の実情を聞き取り、借入金の返済状況、売上の傾向、営業面の資金繰りの見通しなどを順次明らかにしていった。経営状況の把握が順次進んでいくと、今度は経営者の意識ギャップを埋めていかなければならない。私の感触では今すぐ会社がどうこうという状況ではなかったが、数十年の歴史の中での繁栄期と比べると確かに悪い。しかしそれは当該会社を時系列で捉えた相対的なものであって、現状を切り出して他の会社と比べてみると、絶対的な面ではむしろ良い面がいくつもある。

今回私は会社をたたむことも継続することも勧めなかった。それは経営者の決断することだからだ。しかし、その決断の前提となる状況把握はお世辞にも整っているとは言い難い。現状では数パターンのシナリオが描けて、それぞれについて予想に基づく方向性は提示した。その予想とて、現状では実現確率には相当怪しいものがある。重大な決断なのだから、十分な判断材料を用意して臨んで欲しい。

そうは言っても経営者の安堵の表情が非常に印象的だった。溜まりに溜まった鬱憤を吐き出せたことが大きかったのだろう。具体的な改善策は提示できなかったが、こういう形で役に立つこともあるのだ。





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最終更新日  2006年06月07日 20時50分57秒
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