六法-私の学習法
デスクサイドの棚に有斐閣小六法平成18年版が入った。法律に携わる職業人にとって、六法を年度更新するのは常識だろう。基本となる六法に加え、各業務六法を揃える人もいるようで、専門家意識の現われだと思う。私は開業時、法務+会計+マネジメントの統合活用による中小企業支援を標榜して現在に至っている。この中で会計に関しては業務としての関わりが一番長く、マネジメントについてはそれなりの勉強を長期間続けてきた。ところが法務となると、行政書士になって生まれて初めて法律の勉強をすることになったので、どうしても苦手意識が付きまとっていた。苦手克服のために私が採った方法は、六法で調べるということだった。解説や概要に頼らず、業務上や勉強上で法律の参照条文名が出てきたら、その都度調べるようにした。準用規定があればそれに遡るのも当然だ。そして、調べた箇所には必ず赤線を引き、赤線を引いた所を再び調べる機会に遭遇したら、記憶力の悪い自分を反省した。もともと法律的素養など無いに等しい私にとって、この作業は苦痛の連続だった。しかし、誰に教わった訳でもなくこの方法がベストだと信じて続けていると、何時の頃からか法律の横繋がりが分かるようになってきた。つまり、こちらを立てればあちらが立たずとか、これをするならあれも必要、ということが段々分かってきた。今でもこの作業をコツコツ続けているが、それでも私の現在の法律知識レベルは、最近の行政書士試験合格者と同等かそれ以下だろう。今、新しい六法を目の前にして、再び赤線が引けることにワクワクしている。どのページにも赤線が無いので、暫くは同じ事を何度も調べる自分のバカさ加減を意識しなくて済むからだ。早く一般的な専門家レベルに向上したいと思う。