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カテゴリ:本の話題
殺×愛6(きるらぶsix) アホか!きみのためなら死ねる―― なぁんて言われて喜ぶ女はいないっつーの! あたしのために生きてよね! なにがあっても生きてよね! 僕の世界は再び変わってしまった。 幼なじみの来夏とずっと過ごすって決めたこと。 対天使兵器の少女が消えたこと。街がめちゃくちゃ に壊れたこと――。 一緒じゃないけど一緒だったんだ。 なのに僕は……。 「サクヤ……。」 意識しないのに呟きが口を突いて出る。 違う。僕はもう選んでしまった! 相思相愛の相手なら、不死身の僕に傷を付けれる はず。だけど幼なじみは僕を傷付けることができず、 あの対天使兵器の少女が僕に傷を付けることが できるなんて――。いや、迷うな僕のココロ!! これは殺すために恋をして×死ぬために愛し合えば 世界を救える物語。だけど揺れる思いを綴った恋愛の 書……。 大量の天使襲撃によって崩壊してしまった神代市。 前巻は衝撃のラスト、主人公たちの日常の象徴で あった街が大破壊されたところから続くこの巻では、 <オメガ>として人類の最期を見届ける運命を余儀 なく背負わされた主人公の苦悩をメインに描かれて います。不死身の彼を傷付けることが出来るのは、 相思相愛の相手のみ。彼が苦悩の末に選んだ幼なじみ は彼を傷付けることが出来ず、すれ違いにより別れる こととなった対天使兵器の少女は彼を傷付けることが できるという、そんな痛みにも似た苦しみの中で、 彼が選んだ道はある意味悲劇への道を突き進むこと になります。椎堂密という人を愛して止まない幼なじみ の彼女と人類を滅ぼす<オメガ>として恋をすることを 決意した対天使兵器の少女、その2人の間で揺れ動く 恋心はせつないものがありました。特に圧巻だった のはラストのクライマックス。このシーンは僕の 中では他の名作と呼ばれる作品に匹敵するくらいの、 言葉足らずでありながら素晴らしくも美しいシーン でした。 この物語は毎回各巻でいろいろ挿入話が語られます。 今回は、主人公の椎堂密がいろいろな人に問いかけます。 「恋って、なんでしょうね?」 この物語に登場する人物たちがそれぞれの立場から、 主人公の問いかけに答えるのですが、愛する人しか 殺すことができない、このルールほど残酷なものは ないのではないでしょうか?いくら、ココロでは 相手のことを大切に思おうと相手は傷付けることが できない――そうした運命に抗うように人として 生きようとした主人公は世界の崩壊に巻き込まれて ココロまで崩壊してしまいます。そんな彼の前に現れた のは、再び彼の前に現れた対天使兵器の少女。その 出会いはこれからどうなっていくのか、いよいよ クライマックスへと向かっていく次巻がとても楽しみ です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.02.25 22:30:41
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