灰色の空のむこうには…

トゥモロー・ワールド プレミアム・エディション


世の中には“信念”があって
“運命”がある


人類に最後の子供が誕生してから１８年が経過した
西暦２０２７年。原因がわからないまま子孫を生み
出すことの出来なくなった人間には滅亡の道しか
ないのか。希望を失った世界には暴力と無秩序が際限
なく拡がっていた。世界各国が混沌とする中、英国
政府は国境を封鎖し不法入国者の徹底した取締りで
辛うじて治安を維持している。ある日、エネルギー省
の官僚セオは、彼の元妻ジュリアン率いる反政府組織
“FISH”に拉致される。ジュリアンの目的は、ある
移民の少女を“ヒューマン・プロジェクト”という
組織に引き渡すために必要な“通行証”を手に入れる
ことだった。最初は拒否したものの、結局はジュリアン
に協力するセオだったが…。

子供を生めなくなった近未来世界、何かリアリティの
あるＳＦということで興味を持って見たのですが、
結果は微妙。いや、作品としてはそれなりに面白かった
ですし、映像はとても素晴らしいものがありました。
特に、ラスト付近の市街地での臨場感ある戦闘シーン
なんて傑作中の傑作中じゃないかなと。これでもかと
いうくらいの長回しを使っていてどこまで編集なしで
これだけ迫真の演技をしているのかと思えるくらいに
すさまじいものがありました。映像としてはすごく
満足いくものなのですが…、せっかくのＳＦだという
のに、その世界観を余すところなく伝え切れていない
ところが残念かなと。不法入国者、反政府組織、それに
エネルギー省、これらの関係もあっさり流されたまま
だし、何より主人公の立ち位置がよくわからなかった。
もう少し突っ込んでこの世界に浸ることが出来れば、
間違いなく面白かったと思うのですが。僕だけかも
しれませんが、よく理解できなかったので一歩退いて
見てしまったところが残念なところです。