灰色の空のむこうには…

今日、仕事帰りの電車の中でちょっと面白いこと
がありました。

いつもより少し早めに仕事が終わったので、帰宅
ラッシュの時間帯にぶつかってしまいました。
僕は京阪沿線に住んでいて、京橋駅から電車に
乗り込むのですが、ちょうど急行がやってきた
ので人に押され押しのけ乗った電車はぎゅうぎゅう
の満員状態。僕の後からもどんどん人が乗って
きて真ん中のほうまで流されてしまい、ようやく
一段落着いて足場を固めることが出来たので
電車が発車しないかなと待っていますと、ちょうど
入り口のドア付近で携帯をいじっていた見た目
二十歳にもならないくらいの若者がふと周りを
見たかと思えばそばにいたサラリーマン風の
男性に、これ（電車のこと）って門真市に止まり
ますか？と尋ねていました。

尋ねられた男性は、「…………」と無言状態。
後姿しか見えなかったので自分に尋ねているのか
わかりかねる状態だったのですが、数十秒近く
無言が続き、若者は返答を待ち続けるも、ホーム
からは無情にも間もなく電車が発車します、と
いうアナウンスが流れドアが閉まろうかという
ときにいきなり、止まらないですよと一言。
その言葉にびっくりした若者はええ～！と大声を
あげたかと思うとドアが閉まろうとする電車から
飛び降りていきました。ドアが閉まりながら
その男性はやおら後ろを振り向き、ちょうど男性
の後ろにいたおっちゃんに「ですよね？」と
聞いてました。聞かれたおっちゃんは「ああ」と
うなずいていましたが、それっきり男性はドアの
ほうを向いて立っていたので、男性とおっちゃん
もまったく縁がゆかりがない関係と知った僕は
あまりの光景の面白さに笑いがこみ上げてきて
しまいました。

ウソのようなホントの話で、若者の一言を皮切り
にこれだけ無関係な人たちが一体になるって
面白いことですよね。ちなみに若者が問いかけた
門真市に止まるかどうか、僕がすぐにわかった
なら答えていたと思うのですが、僕も一瞬頭が
真っ白になってしまい即座に返答できなかった
です。京阪電車には結構な駅数があり、普段通る
駅なら即座に反応できたと思うのですが、あまり
利用しない駅でしたし紛らわしいことに萱島と
いう駅もあったりしますから。漢字で書くと
全然違いますが発音で聞くと、カドマシとカヤシマ
って似てると思いません？駅だけでなく列車の
種類によって停車駅も変わっていて、ちなみに
準急は萱島に停車したりするのでこれまた厄介な
ものです。自分が急行に乗っていると覚えていたら
問題ないと思うのですが、帰りは来た電車に乗り
込むのでいちいち何に乗っているかなんて覚えて
いないですからね。まぁ、そんな感じで男性が
返答に少し時間を要した理由もわかるし、僕も
即答できなかったわけですが、とんだハプニング
にちょっと心があたたかくなった一時でした。