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灰色の空のむこうには…

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2007.09.26
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カテゴリ:ひとり言…
ふと目覚めたとき、そこがどこだか認識できない
ときが多々あります。時計を見ても、今が朝なのか
夜なのか、そしていつなのかがわからない瞬間と
いうのはとても心細くってしまいます。そんな
瞬間瞬間を何度も繰り返していると、この世界は
自分が目覚めている記憶の断片で形作られている
のではないかという錯覚を起こしてしまいがち
です。世界はツギハギだらけで出来ていて、自分
の意識があるときだけ存在していて、自分が意識
していないときにはこの世界はないものではない
だろうかと。

2分の1の確率で爆発する毒ガスの入った時限性
の容器が置かれている箱の中に入れられたネコ、
箱の中がわからないときこのネコは生きている
のか死んでいるのか、どちらなのか…。これは、
物理学の量子力学に出てくる物事の不確定さを
証明するために出された命題であるのですが、
この問題の解を求めるとネコは生きているし
死んでもいるという不確定な存在になります。
中を見ることによって事実は確定することに
なるのですが、中を見ないで推測する場合には
間違いなくネコはどちらともいえない状態です。
ですので、もし寝ていて自分が意識がない場合、
世界は存在しているのか…、それは誰もが存在
しているとは言い切れないのでは。自分が認識
して始めて世界は存在しているのであって、
自分が認識していないときにも世界が存在して
いるとは決して言い切れないものなのです。
世界が存在していると立証するためには、常に
世界を見続けていないと出来ないわけで、自分
以外がたとえ立証しようともその世界は自分で
確認できていない以上、あるかもしれない世界で
しかないものです。

そんな不確定な足許の上で生きる人たちには
様々な色があります。様々な彩り鮮やかな人
たちが交じり合うことで織り成されているこの
世界ですが、それはあまりにも儚く脆いもの
です。たとえどれほど多くの色があろうとも、
その中にひとつだけ色を混ぜると世界の情景は
一変してしまいます。その色は黒、黒色に染め
上げられた世界はいくら他の色と交じり合おう
とも黒色のまま変わることがありません。そして
人は常に黒に染まる危険性にさらされているの
です。世界も人も不確定なものの中で生きる
ということはすなわち、いつ砕けてもおかしく
ないガラスの世界で生きるということ。世界は
ひとつだと信じてままならない価値観が粉々に
破壊されたとき、割れた欠片を抱えて生きて
いかざるをえなくなった人たちはどのように
して世界を繋ぎ止めていけばいいのでしょうか。





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Last updated  2007.10.27 08:03:48
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