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灰色の空のむこうには…

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2007.11.08
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カテゴリ:本の話題

ひぐらしのなく頃に第二話~綿流し編~(下)


そして、…もっと悪いのは、自分が悪い
ことをしたのを認めないこと!!悪いこと
をするのはとてもいけないことだけど、
…それを認めて謝らないことは、もっと
もっと悪いことなんだよ!!!



昭和五十八年、雛見沢村。村に伝わる秘祭・“綿流し”
の晩、夜陰にまぎれて“オヤシロさま”を祀る“祭具殿”
に立ち入った園崎詩音と前原圭一――。最大の禁忌を
犯した2人の周りで次々と起こる異変は、“オヤシロさま”
の祟りか、それともただの事件か……?嘘に嘘を重ね、
真実から目を背けようとする圭一たちを待ち受けるのは、
歪んでしまった“日常”が生み出した血塗れの結末だった
……!?

最近、金田一耕助シリーズを見ていてようやく気付いた
のですが、この巻を読んで「ひぐらし」シリーズもどこ
となく金田一シリーズに似通ったところがあると気付き
ました。閉鎖的な村で起こる事件、その土地独自の文化
による物語の世界観、犯人が最後の最後まで想像つかない
意外性など数え上げればキリがないくらいです。そっくり
そのままとは言いませんが、雰囲気も現代風にはアレンジ
されているものの、その猟奇性や残酷さは独特の雰囲気
のものだと。一つの事件をパラレルワールド的に違う
視点から語り、違う結末を迎えるというところはあり
ますが、その違った展開ながらもまさに一つの物語と
して遜色なく、また新たな謎が生まれていくところに
このシリーズの妙味があるのだと思いました。

前編の“鬼隠し編”が狂気をメインに語られていたもの
だとすれば、今回の“綿流し編”はすれ違いをテーマに
物語が展開していきました。たった一つのボタンの掛け
違いがとんでもない結末まで至った次第を登場人物たちの
感情の機微を通して、物悲しく描いていたという意味で、
とても素晴らしい物語だったと思います。あとがきに、
この次は“祟殺し編”が続くとありましたが、今度は
同じ事件をどのように展開していくのか。また新しく
始まる同じ題材の異なった物語をぜひとも楽しみにしたい
と思います。





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Last updated  2007.11.08 18:19:17
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