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カテゴリ:本の話題
あの頃はまだ解っていなかった。 “正義”という名の天秤が、何を奪い、 何をこの手に為さしめるのかを。 己の迷いに終止符を打つため、いよいよ自らの戦いを 開始する言峰綺礼。周到なるその策略は、瞬く間に 聖杯戦争の趨勢を塗り替え、誰もが予期しなかった 展開へと導いていく。見えざる手に翻弄されるがまま、 男たちは、女たちは、信念のため、野望のため、或い は守るべき誰かのために、凄絶に命を散らしていく。 綺礼の暗躍を察知した衛宮切嗣は、相手がもはや決して 避けられざる宿敵であることを了解し、覚悟を決めて、 その待ち受ける罠に敢然と挑みかかっていく。そして 運命の導きは、二人の男を対決の場に集わせる。 激突する三人の王。その真名を解き放ち咆吼するバー サーカー。残る全てのサーヴァントが覇を競う熾烈なる 最終決戦の最中、ついに業火とともに降臨する聖杯。 秘め隠されてきたその正体が、今、白日の下に晒される…… 前巻の発売からおよそ半年余り、そもそもこの外伝 とでもいうべき“Zero”シリーズは全4巻という触れ 込みだったのですが、強烈なインパクトを残すキャラ たちはそのまま存命しているバトルロワイヤルの中で どのように終結するのかとまだかまだかと発売日を 待っていたのですが、今まで待っていたのが報われる ような無上でいて無情を感じる無常なエンディング は、次世代へと繋がれる架け橋としては満足いくもの でした。筆者の方は、この作品を二次小説と位置づけて られましたが、二次小説の定義を疑いたくなるような 素晴らしい作品だったと思います。全4巻総頁1400 頁強に及ぶ衛宮切嗣と言峰綺礼の魂と在り方の行方を 端にして語られる魅力的なキャラクターが織り成す壮大 な物語は、何も残さなかった故にそれを見た者には 測り知れない強烈な印象を与えるものでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.01.02 17:10:05
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