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カテゴリ:本の話題
時生 あんたにいっておく。明日だけが未来じゃない んだ。それは心の中にある。それさえあれば 人は幸せになれる。 不治の病を患う息子に最期のときが訪れつつあるとき、 宮本拓実は妻に、二十年以上前に出会った少年との 想い出を語りはじめる。どうしようもない若者だった 拓実は、「トキオ」と名乗る少年と共に、謎を残して 消えた恋人・千鶴の行方を追った―。 先日店回りから会社に帰ったときにビビビキャプテン と話をしていたときのこと。僕の趣味が映画鑑賞だと 知っているキャプテンがこの前にレンタル屋さんに 昔ドラマ化された作品を借りに行ったという話を聞き、 どんな作品だろうと尋ねるとこの「時生」というもの を教えてくれました。トキオと聞いても僕の頭の中では あまりピンと来ず、空を飛ぶのか、ジャニーズなのか どっちかなと思ってたのですが、原作は東野圭吾で 小説も持っているという話を聞いたのでこの本を借りる ことに。僕はずっと昔、まだ学生時代の頃に東野圭吾が そんなに話題になる前のときにタイトルだけで「同級生」 という作品を読んだことがあったのですが、その後も 精力的に執筆されており今はときめく有名作家さん。 映画化された話だと、「変身」やら「手紙」なども見た ことがあり面白かったのでこの作品も面白いものだろう と思ったのですが、ようやく読むことが出来ました。 感想としましては、時間を忘れて一気に読み終える ほど面白いものでした。というか、先が気になって 読まずにはいられないものです。拓実が妻に昔会った 少年との想い出を話し出した頃の、まだ若かりし頃 の奇跡のような邂逅はとてもまばゆいものだったと 思います。どんな感情の伴う想い出であったにせよ、 少年が父親の語った景色を色褪せることなく覚えて いたところに、それを語った人物の感情が浮き彫り にされていたのではないでしょうか。そんなちょっと ノスタルジーを感じるような過去と、新たに気付か された現在、さらには幸せを感じることの出来る未来 を追体験できるような素晴らしい作品でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.03.30 22:14:50
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