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カテゴリ:本の話題
ひぐらしのなく頃に解第一話~目明し編~(下) 私の人生は結局、ノート一冊で表せる程度だった。 雛見沢村から北条悟史が謎の失踪を遂げて一年――。 昭和58年、園崎詩音は興宮の街で前原圭一と出会う。 悟史、詩音、圭一、そして詩音の双子の姉・魅音との あいだに繰り広げられる奇妙な四角関係は、秘祭 “綿流し”の夜を境に“オヤシロさま”の祟りに 対する疑心暗鬼に塗れ、悲鳴に満ちた暴走をはじめる…! 前巻に引き続き、綿流し編の解答として園崎詩音の立場 で綿流し編を同時平行で語っていく本作は、問題編で ある綿流し編の主人公前原圭一の立場からは謎だった 事柄のすべてが明らかにされたという意味で、かなり 衝撃的なものでした。前巻はまだ失踪した北条悟史が いた時代の1年前を描いているという点では、いまだ 知らない物語だったのですが、こちらの下巻では前原 圭一の視点から結末までの流れを知っているだけに、 このような真実が隠されていたのにはいい意味で予想 を遥かに裏切られました。 一部、問題編とは違う箇所もありましたが、ほぼほぼ 同じ展開を踏襲した物語を読み終えて、主人公である 園崎詩音の悲しい生き方というのが克明に描かれていた のがとても印象的でした。次第に狂気に堕ちていくさま が、小さなきっかけを引き金にしたという意味でも人 の心に巣食う闇の深さと、愛したことへの絶望の深さを まざまざと見せつけられた本作は、内容的には受け付け ない人もいるかもしれませんが、とても素晴らしいもの だったと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.06.06 23:20:39
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