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カテゴリ:本の話題
魔王(下) 一緒にしたいことがたくさんある人を 怖がる人間がいるかしら タロットカードが予告する2つの殺人事件は、12年前 に刑事のオスが起こした傷害致死事件に関係することが わかった。犯人の最終的なターゲットは、おそらくオス。 捜査が進むにつれ、オスは過去の罪に苦しむようになる。 一方、犯人に結びつく重要な証拠をつかんだ雑誌記者の ソンは、弁護士のスンハを呼び出しある提案をする。 同時に、スンハの姉スンヒに証拠を送りつける…。 前巻に引き続き、下巻のほうもようやく読み終えたの ですが、微妙な読後感でした。物語としてはとても 面白かったのですが、やはり前巻の感想でも書いた ように登場人物たちのイメージが湧かないというのが 最大の原因ではないでしょうか。まさしく演劇の台本と いう表現がふさわしい台詞がメインの小説になって いまして、ドラマになると登場人物たちの表情や背景 とかでまだイメージもつくのですが、これが小説に なると心情とかがほとんど語られず台詞から判断する しかないので、ごくたまに描かれる主人公らの心情は きらりと光るものがあったのですが、何だか不完全 燃焼で終わってしまった感がありました。 しかし、二転三転するストーリーとしては飽きさせ ない秀逸なものがありましたので、ぜひともドラマ を見損ねた人にはこの本はオススメじゃないかなと 思います。12年前の事件をきっかけに、その後の 人生を狂わせてしまった主人公の2人が苦悩する様が 克明に描かれており、その主人公らを取り囲む人間 関係がまた複雑に絡み合っているせいで、当人らは 違う結末を望んでいたにも関わらず、悲劇の道を 回避することが出来なかったこの物語は、なかなか 読み応えのあるだったと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.02.11 20:28:05
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