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テーマ:DVD映画鑑賞(14216)
カテゴリ:映画な話
魔王 DVD-BOX 2 第19話「あなたの友は、オイディプスの義務を果たすのです」 この世が不公平でも 自分の公平さを 捨ててはいけません 前回のラストで、弁護士の出したヒントによって、よう やく社長秘書のアリバイを証明する人物に行き着いた 刑事だったのですが、その人物である社長の奥さんに 証言してもらうことは、社長秘書や社長の奥さんだけで なく、実の兄である社長にまで痛みが伴うということで 苦渋の選択を迫られることになるのですが、自分が殺人 者となってまでも社長の奥さんを庇おうとする社長秘書 の態度を見て、社長の奥さんに証言してもらうように 頼みます。 そんな社長秘書のことを思ってか、社長の奥さんも自分 の身を顧みず、警察に証言に行くことによって社長秘書 の問題児の親友の事件の容疑者からは外れたわけなの ですが、ここで新たな疑問としてそれでは殺害した犯人 は誰かということに刑事は行き詰まり、図書館司書の 透視の力を借りることである男の人物が浮かび上がって くるのですが、その人物が犯人だと信じられない刑事 はより深い苦悩に立たされることになるというのは悲劇 としか言いようがないです。 というか、弁護士の正体が明らかになって以来、一連の 事件を引き起こした真犯人として刑事は追っているの ですが、よくよく考えてみればこの弁護士は真犯人で あっても自分のターゲットにしている人間に関わって 怨みを持っている人物を選んで行っているわけで、これ って本当に犯人と言えるのか微妙なところかなと。 今回の問題児の親友の事件に関しては、確かにネタふり をして関係する人間の不審を募らせたかもしれませんが、 完全に事件を起こしたのはその人物の意志であり、そこ に至るまでの選択は当の本人が持っていたのですから 殺人教唆にもならないのではないかと思ったりします。 まぁ、弁護士は自分が犯人である証拠を持ってこいと 刑事に言いますが、これらの事件から出てくる証拠も 弁護士が宅配を送ってようが、直接の行動としては 動いていないのでいくら探しても見つかるはずもなく、 それなのに自分の思い通りに事を運べるくらいに周到 に復讐の計画をしたのはすごいことだと、改めて感じ ました。 今回も、弁護士の復讐を止めるべく図書館司書と事務長 が弁護士に向かって語りかけるシーンがあるのですが、 言葉での説得をしようとする図書館司書の思いがあまり 弁護士に通じないというのが皮肉なものだと思います。 弁護士が大切にしている女性の言葉ですから、弁護士も それなりに衝撃は受けるとは思うのですが、これまで 培ってきた心を溶かすまではいかないのは、図書館司書 と弁護士の関係をそっくりそのまま表していたのでは ないかと。 お互い快くは思っているのですが、今一歩ずつ内側に 入っていこうとしない人間関係そのものが、相手の心 に入り込む言葉となって訴えかけることが出来ないもの になっているような。 それに対して、事務長は必要以上のことは言わずに 弁護士のそばにいると言い切り、本当の意味で弁護士 を救おうとするその人間関係の距離感の取り方が 弁護士の心を溶かそうとするのであり、そのあたりの 弁護士の心情の機微がとてもよく描かれていた回に 思えました。 韓国ドラマ「魔王」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.03.05 18:56:30
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