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カテゴリ:本の話題
関ケ原の雨 きっとその刀がお主の死んでも死に切れぬ 怨みを鎮めてくれるじゃろう 信長の血を吸った無銘剣は、伊達政宗、千利休、石川 五右衛門、加藤清正と次々に自らを必要とする者の手 から手へと…。激動の戦国時代、ひと振りの古刀は、 新たな持ち主を探し彷徨いつづけ、その剣の現わる ところ血飛沫が舞う。 人間の剣シリーズとして戦国編完結の本巻は、前巻から 引き続き豊臣時代を経て家康時代までを描いていました。 そろそろワンパターンな刀の描写と、この刀を持つ者 には何らかの訳ありと事件に関わりがあるのはお約束な 展開ながらも、わかっちゃいるけどぐいぐいと引き込ま れる物語の展開の面白さに、飽きることなく読み終える ことが出来ました。 なかなか秀逸だなぁと思うのは、歴史小説であるにも 関わらずある一定の人物だけをピックアップするのでは なく、その時代に生きた人間たちを描写するという方法 を採っているので、狭く深くではなく広く浅くトータル として歴史的事件を描いているところです。そのため、 いろいろな人物の立場からその事件を見るから初めて わかるエピソードなども数多くちりばめられており、 英雄として歴史上の人物を捉えるのではなく、一人の 人間として数々の人物を描いているからこそ他の時代 小説では触れられることのなかった歴史の暗部なども きっちりと書かれていて、違った角度から見る武将たち の素顔を垣間見ることが出来たと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.06.10 19:23:12
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