灰色の空のむこうには…

僕はお客さん商売のところでアルバイトはおろか、
仕事もしたことがないのでよく知らないのですが、
そういうところって接客マニュアルってのがある
と思います。

ある程度、接客の質を均一化しようとすればそれ
も当然なわけで、こちらも客で行くのですから
神様とまでは言わないまでもせっかく買うからには
気持ち良く帰りたいですから、とんでもない接客
をされるよりはまた来たくなるようなもののほうが
いいわけで。


先日の日記にも書きましたが、毎朝通勤途中には
相変わらず京橋駅のコンビニでたばこを買っている
のですが、僕の買ってたたばこが定番カットされた
ために違う銘柄に変えたにも関わらず顔パスで対応
してくれる女性のところに今日も並んでいました。

さすがに駅構内にあるコンビニなので、キオスクと
そんなに変わらないくらいの客入りなのですが、
キオスクと違うのが商品をいちいちバーコードで
レジ計上しないといけない分時間がかかってしまい、
朝なんてさばくのだけで必死なのに、マニュアルも
へったくれもないと思うのですが、そこのお店は
それでもきちんとマニュアル通りに挨拶してくれたり、
買った後もお礼を言ったりしてくれます。

まぁ、これだけ長いこと通ってても小粋な話が出来
ないのもあまりにもばたばたしているからなのです
が、レジにいる間は完璧に隙がないくらいにきちっと
しているのでプロだなぁと買って帰るたびに思って
いたのですが。


で、今日もレジに並んでいまして、いつものように
その女性が僕を見つけて前の人が会計している途中
でたばこを取ってくれたのですが、僕が今買っている
たばこというのがレジの上の棚にありまして、その
女性からすればちょっと高い位置にあっていつも
背伸びしながら取ってくれています。

レジスペースというのは限られていまして、前の
お客さんの商品がとっちらかっている中背伸びする
とどうしてもどこかにあおりが来るもので、とても
珍しいことに背伸びして取ったついでにがしゃーんと
勢いでレジのバーコードリーダーを落としてしまい
ました。

見ている僕もびっくりしてしまったのですが、その
女性は一瞬何が起きたかわからなかったみたいで、

「落ちた…」

とぼそっとつぶやいて、固まってました。


すぐに、はっと我に返ったみたいで、またてきぱきと
動き出しましたが、さすがに気まずかったのか僕に
たばこを渡すときははにかみながらだったのですが、
ほとんど隙なくレジをしている姿しか見てなかった
のでそのギャップが面白かったです。

いや～、ドラマか何かだとここからロマンスも生まれ
ようものですが、僕の後ろにもお客さんが並んでいた
のであっさりと追い出されてしまいましたが、その
女性の素の表情が見れたのは良かったかなと。