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灰色の空のむこうには…

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2009.10.01
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カテゴリ:本の話題

名探偵の掟


だいたい、犯人はなぜこんな場所を選ぶんだろう
な。『屋敷もの』なんかを読むと、いつも思う
ことだが、町中で通り魔的に殺すほうが、よっぽど
捕まる可能性が低いんじゃないか。



完全密室、時刻表トリック、バラバラ死体に童謡殺人。
フーダニットからハウダニットまで、12の難事件に
挑む名探偵・天下一大五郎。すべてのトリックを鮮やか
に解き明かした名探偵が辿り着いた、恐るべき「ミス
テリ界の謎」とは?

今やミステリ作家として名高い東野圭吾氏が書いた、
本格ミステリの12パターンの定番に対する挑戦状とも
いえる本作品は、逆転の発想の物語としては面白く読む
ことが出来ました。名探偵天下一大五郎の関わった事件
を紹介しながらも、事件はどちらかというと二の次的に
物語は進んでいき、このパターンの展開にはこういう
のが決まりごととなっている的に話が進んでいくのを
読みすすめていくと、ああ確かにそう言われれば現実
にそんなことがあると違和感があるなぁとうなずくこと
しきりでした。まぁ、穿った視点からの物語といえば
それまでですが、そうした矛盾について登場人物たち
はどう考えているかというのがよくわかる一冊といえば
逆転の発想としては面白いと思います。

何より面白いと思うのが、この作品が書かれたのが
ちょうど90年代前半でその頃の僕の記憶としては
サスペンスが全盛期の頃。そんな中で、あえてそれら
を否定するようなこのような作品を書いたと思うと、
さらに痛快さが増してくるような気がします。





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Last updated  2009.10.12 21:01:57
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