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カテゴリ:本の話題
名探偵の掟 だいたい、犯人はなぜこんな場所を選ぶんだろう な。『屋敷もの』なんかを読むと、いつも思う ことだが、町中で通り魔的に殺すほうが、よっぽど 捕まる可能性が低いんじゃないか。 完全密室、時刻表トリック、バラバラ死体に童謡殺人。 フーダニットからハウダニットまで、12の難事件に 挑む名探偵・天下一大五郎。すべてのトリックを鮮やか に解き明かした名探偵が辿り着いた、恐るべき「ミス テリ界の謎」とは? 今やミステリ作家として名高い東野圭吾氏が書いた、 本格ミステリの12パターンの定番に対する挑戦状とも いえる本作品は、逆転の発想の物語としては面白く読む ことが出来ました。名探偵天下一大五郎の関わった事件 を紹介しながらも、事件はどちらかというと二の次的に 物語は進んでいき、このパターンの展開にはこういう のが決まりごととなっている的に話が進んでいくのを 読みすすめていくと、ああ確かにそう言われれば現実 にそんなことがあると違和感があるなぁとうなずくこと しきりでした。まぁ、穿った視点からの物語といえば それまでですが、そうした矛盾について登場人物たち はどう考えているかというのがよくわかる一冊といえば 逆転の発想としては面白いと思います。 何より面白いと思うのが、この作品が書かれたのが ちょうど90年代前半でその頃の僕の記憶としては サスペンスが全盛期の頃。そんな中で、あえてそれら を否定するようなこのような作品を書いたと思うと、 さらに痛快さが増してくるような気がします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.10.12 21:01:57
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