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カテゴリ:本の話題
傷物語 不覚にも、こんな状況であるにもかかわらず、 感動してしまっていた――まさかこの僕が、 携帯電話の無機質な画面を見て、感動する なんてことがあるとは思わなかった。 いいことなんてひとつもない。 悪いことばかりの春休みだと思っていたのに。 高校生・阿良々木暦は、ある日、血が凍るほど美しい 金髪の吸血鬼と出遭ってしまった……!?彼女がいな ければ、“化物”を知ることはなかった―― 相変わらずあっさりと言ってしまえば身も蓋もない くらいに淡白すぎるあらすじですが、これが全てを 現しているのですから不思議なものです。「化物語」 の前日譚である第零話ともいうべき怪異の始まりで、 これまで散々春休みの出来事として書かれてきた 阿良々木暦の一連の出来事のその全容が明らかに なった本巻でした。 「化物語」を読んでいますと、主人公である阿良々木 暦が委員長の中の委員長である羽川翼のことを語る のに必要以上に神格化しているシーンが多々見受け られるのですが、この巻を読んでそれも納得でした。 自分がどん底の中で苦しんでいるときに、何気なく 手を差し伸べてくれる人がいたのなら、それはもう 無条件に頼りにしてしまうものだと思います。 人間強度が下がるから友達を作ろうとしなかった 阿良々木暦が羽川翼とどのように友達になったのか、 そして吸血鬼になった阿良々木暦が羽川翼の力を 借りてどのように人間になったのかが、この巻では 余すことなく語られていて、「化物語」もとても 面白かったのですが、それを上回る面白さがある 素晴らしい物語でした。 何でもは知らないわよ。知ってることだけ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.11.01 21:29:38
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