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灰色の空のむこうには…

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2009.11.16
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カテゴリ:本の話題

うみねこのなく頃にepisode 2(上)


私たち人間は、未来に起こりうる運命など
知らない。だからこそ、最後の瞬間まで、
自分の信念と運命に従い精一杯生き抜く。
運命はただのサイコロの目。そこに悪意
なんて感じない。



右代宮家当主・金蔵に忠実なる家具として仕える使用人の
紗音は、金蔵の嫡孫である譲治への恋心に人知れず悩んで
いた。ある日突然目の前に現れた黄金の魔女・ベアトリー
チェに「譲治との恋を叶えてやる」と唆された紗音は、
魔女の力の封印を解いてしまう。魔女の“魔法”のおかげ
で加速していく2人の恋だが、親族会議が行われるあの
悲惨な1986年10月が再び訪れて…。

作者である竜騎士07氏の特徴でもあるのですが、1つの
事件に対して様々な登場人物の視点から角度を変えつつ、
さらにその人物たちの成長によって少しずつ物語が変化
していくという手法は、前作の「ひぐらしのなく頃に」
予習済みであったため、今エピソードも前エピソードから
何の前触れもなく時系列が戻っていてもそんなに戸惑う
ことなく、逆にどうした新たな局面を迎えるのかという
期待感でいっぱいに物語を読み終えることが出来ました。

まぁ、前エピソードは1つ目のものであり、お披露目と
いう意味合いもあったかと思うので、何のなす術もなく
この六軒島大量殺人事件の概要を説明したものであった
のですが、この2つ目のエピソードからは登場人物たち
が新たなステージに進むということもあり、その最初に
選ばれたのが自分を家具と呼ぶ使用人の紗音と右代宮家
当主の孫である譲治の許されざる恋の行方だったのです
が、前エピソードで控えめすぎるくらいの紗音が家具
から人間へと生まれ変わる過程が丁寧に描かれていて
とても感動的でした。

あまつさえ、時が満ち黄金境への道が開かれる段になり、
魔女ベアトリーチェによる恋の魔法は悪意あるものだった
と気付かされたときに紗音が言い放った冒頭の力強い台詞
は、世界を構成する一なる元素に至った紗音がからこそ
言える台詞で素晴らしかったと思います。





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Last updated  2009.11.23 12:04:00
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