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明智左馬助の恋 下巻 別世界を見ていたのだ、信長という男は! それも一人だけで……何故おれも主君光秀 もこれに気付かなかったのだろう。 いや明智だけではない。織田軍団のすべて が……。 「愛宕山に詣でて、戦勝祈願のために一夜参篭する」。朝廷 との密会を重ねる光秀の暴走を止められない左馬助。そして 本能寺の変――。 前巻では等身大の織田信長の姿と、織田軍団の中での明智 光秀のポジションが描かれていましたので、本巻を読んで いても何の違和感もなく読み終えることが出来たのですが、 読み終えた感想としては新解釈から明智の姿を描いたとても 面白いものであったと思います。そして物語は本能寺へと 突入した頃には、その真相がそれぞれの思惑からの謀殺の 御輿に光秀が担がれたということになっていたのですが、 それまでに至る経緯がとても理屈として理解出来るもので あったために、納得して読むことが出来ました。 物語としては明智光秀の娘婿である左馬助の目線で物語が 展開していたのですが、信長を討つことになった光秀の心境 も左馬助には作品の中では語られなかったので本能寺の変の 前にあった連歌会での歌の解釈から推理するという新たな 切り込みがされていたりもして、なかなか読み応えがあった と思います。また、左馬助もこの作品で初めて知ったのです が、男としても武人としてもとても魅力的に描かれていて、 これまでの明智に纏わるイメージを払拭して新たな可能性 を示唆してくれる作品だったように思えます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.07.14 22:56:06
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