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カテゴリ:本の話題
うみねこのなく頃にEpisode3(上) 姫様が私の力をお信じくだされば、でございます。 魔法の力の根源は、信じる力。……奇跡は、それ を強く信じる者の前にしか示されません。 1986年10月、大富豪“右代宮家”の親族会議は、三人の 兄弟たちが当主代行の長兄・蔵臼からカネを無心しようと、 不穏な空気に包まれていた。特に長女・絵羽は、自分より 無能でありながら次期当主として振る舞ってきた兄に対して、 憤懣やるかたない思いを秘めていた。そんな親族会議の席 に、魔女“ベアトリーチェ”から一通の手紙が届く。惨劇の 中で絵羽は“黄金伝説”の謎を解くカギを掴むのだが…。 うみねこシリーズもエピソードが3作目となると、ひぐらし シリーズのような同じ事件を違ったヒロイン視点から多角的 に全体像を浮かび上がらせるというパターンになるのかと 思えば、前エピソードまでは外野での話を混ぜつつも、まだ 当事者の視点から事件を描いていたのですが本エピソード からは外野があるひとつの命題に対して自分の主張を推理し 立証していくという、いわば読者側に立った視点と変わり、 その解をストーリーに求めるという形式に転換した、今 までにない新しい展開となっていました。 その立証も、常識では却下されるありえないようなもので ありながらも、それはそれで納得できる従来にはない方法 も採用されたりして、なかなか読み応えがあるものとなって います。現実世界に生きる僕たちの代弁者である主人公が 非現実世界に生きる魔女の魔法に叩きのめされながらも、 いろいろな協力を得ながら不屈の精神で立ち上がる姿は ひぐらしシリーズに共通する人間の精神の強さであり、 明らかに不利な状況の中これからどのように挽回していく のか下巻へ展開を期待したくなるものでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.07.22 21:31:32
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