灰色の空のむこうには…

毎朝通勤していると、電車の中や歩いているときにいろいろ
な人を見かけます。

僕はいつも決まった時間に決まった電車で行くようにして
いるので、同じような時間帯に通勤する人はたいてい顔を
覚えてしまうものですが、その中で最近よく見かけるように
なった１人の女性がいます。


美容商品を取り扱っている仕事柄、使いたがりの僕ですが
どうしても自分では使うのに限界がある商品が多く、仕方
なしにと言い訳しながら、たまに道行く女性を観察する
ことが多いのですが、その女性を見たときは固まってしまい
ました。

というのも、初めて見たときは後ろ姿を見ただけだったの
ですが、あまりにも髪がきれいな女性だったのです。

よくシャンプーなどのテレビのＣＭとかで髪のきれいな女優
さんがいたりしますが、メーカーさんに聞いたところでは
ほとんどの人がＣＧを使っているそうで、実際のところ
ＣＭで見るような輝くような髪の人には会ったことがない
僕でしたが、その女性はまさしくテレビのＣＭで見るような
髪の人でした。

後日、後ろ姿だけじゃなく正面からも見たのですが、その
女性は髪の美しさを意識してか、平安美人のような髪型を
されていることを知ったのですが、何回も見かけるうちに
その髪を見て違った印象を受けるようになったのです。


昔から髪は女性の命と言われたりしてましたが、他にも
言われてることがありまして、よく髪に願掛けするとか
呪いがあるとかいうように、何か別の力が宿っている風に
見えてきたのです。

ただの僕の妄想で、その女性はきちんと手入れされていて、
ただきれいな髪の持ち主なだけなのだということは重々
承知しているのですが、あれだけ美しい髪というのは見て
いると逆に怖くなってきてしまいました。

いやはや、昔の人はいろいろと想像豊かだとは思っていま
したが、実際のところ自分でそれを目の当たりにすると
意識しないでもそう思うっていうのは日本人なところなの
ですかねぇ。