灰色の空のむこうには…

うちの会社の営業がある２階のフロアには喫煙室があり
まして、窓が社外の大通り側にあって景色が良かったり
します。


会社に来るときの通勤路としては、駅がちょうど大通り
とは正反対の方向にあるために、大通り側から左手の
緑地帯である側道側にある門から入るのですが、たまに
大通り側にある門から入って来る人もいて、喫煙室に
いますとそこから見えることがあります。

で、僕はいつも就業時間の３０分ほど前に会社に行く
ので、毎日の日課であるパソコンが立ち上がるまでの
間に喫煙室でたばこを吸っていますと、たまたま大通り
側のほうから後輩くんが歩いてくるのが見えました。

普段はたばこを吸っていても誰かがいたりして話を
することが多いためあまり外の景色を見ているという
ことは少ないのですが、今日は僕ひとりしかたばこを
吸っていなかったので景色を見ていて発見しました。


そういう景色を見ているシチュエーションのときに知り
合いが通ると何だかうれしくなってくるもので、思わず
窓を開けてわっさわっさ後輩くんに向かって手を振って
いました。

当然、喫煙室は２階にあるために、そこの窓から大きく
手を振っていますと他の通行人の人にも見えたりする
ものですが、なぜかそのときの僕はあまり道行く人は
気にせずに後輩くんが早く気付かないかなぁとわくわく
しながらやっていますと、ようやく遅まきながら後輩
くんが気付いてくれました。

そのとき、後輩くんがどんなリアクションをとって
くれるのだろうと思っていますと、クールで評判の後輩
くんは僕に気付くや、しゅたっと片手を上げて挨拶を
してくれ、颯爽と会社の門をくぐって行きました。


３０代前半の人間が傍目も気にせず大きく手を振って、
２０代前半の後輩があっさり返事を返すっていうのも
何だかおかしい状況だと思いますが、後輩くんのその
クールな対応に思わずカッコイイと思ってしまった僕
っていったい…。