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灰色の空のむこうには…

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2010.11.07
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カテゴリ:映画な話
雷桜.jpg


おまえはおまえだ


将軍家に生まれ、重い宿命を背負いながらも心に病を抱えて
生きる孤独な若い殿様、清水斉道。家臣・瀬田助次郎が語る
“故郷の瀬田村には天狗がいる”という話に興味を持ち、
静養のため瀬田村へと向かう。道中、“天狗の棲む山”に
さしかかると、家臣の制止を振り切り、ひとり山へと馬を
走らせる斉道。そこで出会ったのは雷という山育ちの若い娘
だった。天狗の正体が雷と知り、そのことを助次郎に話した
ところ、助次郎は乳飲み子の頃に藩の政争に巻き込まれ掠わ
れた妹の遊に違いないと確信する。晴れて村に戻り斉道と
再会する雷。身分がどういうものかも分からないことで殿様
相手にも心の赴くままに接していく雷だったが…。

オープニングから訳のわからないままに暴れる若殿が出て
きて微妙な展開だなぁと思いながら見ていたのですが、若殿
と雷が出会うことによって急速に物語は彩りを増し、まさに
この映画のうたい文句にあるようにロミオとジュリエットと
言うに相応しい展開へとなったのには驚かされました。尺と
しては130分ほどの普通の映画並みの長さだったのですが、
そこに詰め込まれた山あり谷ありなストーリーは密度の濃い
もので、とても完成度の高い映画でした。

物語の舞台が江戸時代になっているのですが、どちらかと
言うとお互いの環境を想像させるためにその時代の物語に
したという感が強く、時代劇として見れば周囲の思惑などは
かなり押しが弱いものになっていながらもそこに生きる人
たちの描写は説明不足すぎるほど本格的なものとなっていて
少し歪なものになっているのですが、純愛をテーマにして
この映画を見ますとやや余韻を引っ張りすぎるところも
ありましたがかなり練りこまれていて、とても素晴らしい
作品だったと思います。





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Last updated  2010.11.11 21:34:16
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