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カテゴリ:本の話題
新選組残夢剣 我ここに死するは汝らのために非ず。偏えに 皇国のためなり、我いまここに死すとも、 七度生まれ変り、この怨み汝らに報いん。 剣の長さは二尺四寸、元幅一寸、反りは七分、鍔は錆び、 柄頭の組糸はほつれ、鞘の漆も剥げ落ちた一振りの剣――。 坂本龍馬暗殺後、時代はいっそう混迷の度合いを深め、 京は血腥い空気に包まれていく。無銘剣は自らを託す べき者として、下総郷士の相楽総三を選ぶが…。 前巻から続けて幕末維新編の第3巻を読み終えたのです が、巻を経るごとに無銘剣に込められる怨みが色濃く なったのか、とても苛烈な斬れ味を増していく数々の エピソードであったと思います。何度も書いています が、このシリーズの面白さは歴史の表舞台には出る ことがなかった人物たちに焦点を当て、その無念の 様を無銘剣に託して語られるのですが、幕末の動乱と いうわずか数年の間の出来事が、立場を変えればこれ ほど凄まじいものだったとは思いもしませんでした。 今回のエピソードでは、武士という生き方と新政府軍 に象徴される新しい時代の生き方が対比して描かれて いたため、武士の生き様の凄さやそれがための悲劇 などがまざまざと描かれていました。特に会津攻略の くだりなど、知らなかった歴史の影の部分が語られる ことで、この時代に生きた人たちの高潔な生き方を 改めて実感しました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.12.21 20:45:31
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