灰色の空のむこうには…

ハッピーフライト スタンダードクラス・エディション


もっと華やかで夢みたいな世界だと思ってた？


機長昇格を目指す副操縦士の鈴木和博は、いよいよ乗客を
乗せた実機での最終訓練に挑もうとしていた。そんな彼が
乗り込む飛行機は、ホノルル行き１９８０便。ただでさえ
緊張しているところへ、試験教官が威圧感バリバリの原田
教官に急遽変更となったことで、その緊張は早くも頂点に。
一方、同じ便には国際線デビューとなる新人キャビンアテン
ダント、斎藤悦子の姿も。そんな中、空港カウンターでは
グランドスタッフの木村菜採が乗客のクレーム対応に追われ、
さらに整備場でも若手整備士が離陸時刻に遅れまいと必死
のメンテナンスを続けていた。他のすべてのスタッフも
また、１９８０便を定刻に離陸させ、ホノルルまで安全に
運行できるよう、それぞれの持ち場で懸命に仕事をこなして
いたのだが…。

毎日１０００便以上の飛行機が全世界で飛んでいる中で、
そのうちの１便の飛行機のフライトに焦点を描いた映画
なのですが、その１便の飛行機をフライトさせるのにこれ
だけの人が関わっているのかと、改めて航空業界の舞台裏
をしつこくなく描いている作品でした。航空業界といえば、
どうしても機長や操縦士にキャビンアテンダントばかりが
スポットライトが当たりがちになっていますが、こうした
縁の下の力持ちな人がたくさん揃ってこその世界だという
のを改めて実感しました。

ドラマとしては、そこにまつわる人たち１人１人の物語が
ちりばめられており、笑いあり涙あり感動ありという風に
仕上げられていたのですが、登場人物が多いせいでこれと
いう人物に感情移入できないせいか淡々としたものになって
いたのが、少し残念だったかなと。僕の個人的な感想と
してはグランドスタッフの人の奮闘と出会いをもっと見た
かったのですが。