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カテゴリ:本の話題
永遠の0 ゼロのパイロットはすごかった。これはお世辞では ない。何度も機体を穴だらけにされた俺が言うんだ。 本物のパイロットが何人もいた。 「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」。 そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落とした のか。 終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を 調べていた。天才だが臆病者。想像と違う人物像に戸惑い つつも、一つの謎が浮かんでくる―。 記憶の断片が揃う時、明らかになる真実とは。涙を流さず にはいられない、男の絆、家族の絆。 零戦をメインに海軍の軌跡を描きつつ、多面的な視点で 第二次世界大戦を賛否両論はありますが総合的に解説する 一方で、その時代に生きた人たちの証言をもとに主人公 の祖父の姿を浮き彫りにしていく、とても綿密に構成 された作品でした。 当時の戦争に出征した人たちのことを思うと、現場と参謀 本部や諸外国の日本と戦争への考え方の違いがあまりにも 乖離しすぎて読んでいて胸が痛くなってくるものでしたが、 これが現実として数十年前にあったという事実は真摯に 受け止めるべきものだと思います。 僕の祖父も大学在学中に繰り上げで卒業させられ、出征して 特攻隊に配属されたと、亡くなってから聞かされたのですが、 祖父と同じ環境にいた人たちのことも詳細に記されていて、 読んでいるだけで涙が出そうになりました。 この物語は、主人公の祖父の生涯を調べるという形式を取り ながらも、戦争に行かれた僕たちの身内の世代の時代をも 克明に記しながらも、物語は人というのは不思議な縁というか 糸で結ばれたものがあるものだと感じずにはいられない、 泣くのを堪えるのも難しい素晴らしい作品でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.04.17 18:30:46
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