灰色の空のむこうには…

会社に出勤をして、店回りに行くまで社内処理をしてます
と、僕の席の後ろにある営業企画課で大人買い先輩がその
部署の人と話している声が聞こえました。


僕はちょうど営業企画課には背中を向けて座っているため、
後ろの様子はさっぱりわからなかったのですが、誰かが
後ろを通ったなぁという気配を感じたと思いきや、いきなり
イスをガンと蹴られまして、びっくりした僕が見た先には
大人買い先輩が自分の席に戻ってるところでした。

大人買い先輩はたまにお茶目なところがありまして、そう
したイタズラをよくされるのですが、とりあえずは席に
戻られたので今日はこれくらいで終わったのかなぁと思って
ましたら、また誰かが通るなぁという気配がしたかと思い
きや、またガンとイスを蹴られたので見ると大人買い先輩
が資料を取りに戻ってまた営業企画課に行かれていたの
です。

ピキーンと僕の第六感が、これは新たな戦いの幕開けだと
感じまして、しばらくしてまた誰かが通る気配がしたので
直前でイスを机側に引いたところ、今度は頭をはたかれた
のです。


さすがは裏の裏を読む先輩で、僕が気配を察知しているのを
見越した上での展開に次こそ負けないと思い、また通る気配
を感じたのでイスを引きながら頭を下げると今度は何もなく
スルーされてました。

こうして油断させて最後に何かしてくるのではと、また営業
企画課に行かれた先輩が戻るのを今か今かと待ちながら処理
をしてますと、ようやくまた気配がしたので先ほどと同じく
イスを引きながら頭を下げますと、今度はおなかを指で刺さ
れてしまったのです。


僕の回避をすべて見越した上での予想外の攻撃とは、この
駆け引きは完全に大人買い先輩のペースで終わったみたいで、
まだまだ僕は修業が足りないなぁと思いつつ、ちょうど内勤
が終わったので店回りに出ることにしました。

お互い、一応は仕事をしながらも見えないところでこうした
駆け引きをしているなんて、おそらく誰も気付いてないと
思うのですが、今回は僕の完敗であり今度こそ先輩の裏の裏
をかこうと心に決めたのでした…、ってそんなことに集中
してないで仕事に集中したほうがいいという突っ込みはなし
という方向で。