灰色の空のむこうには…

28週後... 特別編


さぁ、今日は何が見られるかな


感染すると凶暴性を引き起こし他の人間に襲いかかる恐る
べき新種ウイルス“ＲＡＧＥ（レイジ）”が猛威をふるった
イギリス。ウイルス感染発生から５週後に最後の感染者が
死亡、１１週後には米軍主導のＮＡＴＯ軍が派遣され、
ようやく再建が始まった２８週後のロンドン。
スペイン旅行中で難を逃れたタミーとアンディの姉弟も無事
帰国し、軍の厳重な監視下に置かれている第１街区で父親
ドンと感動の再会を果たす。しかしその場に母アリスの姿は
ない。彼女は、田舎のコテージに立て籠もっていた時、
ドンの目の前で感染者に襲われてしまったのだった。母を
恋しがる姉弟は、母の写真を取り戻すため第１街区を抜け
出し我が家へと向かう。するとそこで姉弟は思いがけず
生きているアリスと再会する。やがて軍医スカーレットの
診断で、アリスがウイルスに感染しながらも発病していない
キャリアだと判明、ワクチン開発への期待が膨らむ…。

前作「２８日後...」の続編である本作を見たのですが、
正直なところ追いかけられる恐怖というのは本作のほうが
はるかに上回っていたのですが、前作ほどの生への執着と
いう人間の本質的なものがあまり描かれてないどころか、
むしろ薄かったような気がします。物語としても、最悪な
状況をあえて作ろうとしているのかご都合主義がミエミエ
な部分がありまして、思わず強引だなぁと思ってしまう
ところもしばしばありました。

しかし、この映画の展開はいろいろな要素が含まれており
ピカイチだったのではないかと思います。冒頭の感染者
から襲われるシーンから復興のシーン、子供たちが冒険に
出るシーンに、ウイルス感染に至るまでのパニックシーン、
そして軍の無差別殺戮に逃亡シーンに暗闇の中をさまよう
シーンなど、なかなか見ていて飽きない作りになっていま
して、これで物語にもっと深みがあったら素晴らしい映画
に仕上がったのに、いかんせん主人公たちの立ち位置が
降って湧いてきた設定に見えて漠然としすぎていたのが
残念なところでした。