灰色の空のむこうには…

インセプション


だから…、信じて飛び込むしかない
それとも老いぼれていくかだ
後悔を抱えて孤独に死を待ちながら


他人の夢の中に潜入してカタチになる前のアイデアを盗み
出す企業スパイが活躍する時代。コブは、この危険な犯罪
分野で世界屈指の才能を持つ男。しかし、今や国際指名
手配犯として、またこの世を去った妻モルの殺害容疑者と
して逃亡の身となってしまい、大切なものすべてを失うこと
となっていた。
そんなコブにサイトーと名乗る男からある依頼が舞い込む。
成功すれば、再び幸せな人生を取り戻すことができる。
しかしその依頼とは、これまでのように盗み出すのではなく、
ターゲットの潜在意識にあるアイデアを植え付ける“イン
セプション”というものだった。
かつてない危険なミッションと自覚しながらも、これが最後
の仕事と引き受けたコブは最高のスペシャリスト集団で立ち
向かうべく、すぐさまメンバー探しを開始。やがて、相棒の
アーサー、“設計士”のアリアドネ、“偽造士”のイームス、
“調合師”のユスフ、そしてサイトーを加えたメンバー６人
でターゲット、ロバートの夢の中に潜入するコブだった…。


正直なところ、設定やら世界観はすごく面白いものだったの
ですが、残念ながら物語の始まりがいきなりすぎて、その
駆け足的なスピードについていけなかったです。正直なところ
感想を書くにあたってあらすじを調べたことで初めてわかった
ところがいくつかあり、そういう意味でもオープニングの
夢の中に潜入するスタートは衝撃的だったのですが、その後
に夢に纏わる仕事がこの世界でどれほどの位置付けになって
いるかの説明があればもっとわかりやすかったと思います。

主人公が家族の元に戻るためのミッションのために、仲間たち
を集めていくのもこの夢に纏わる仕事のスペシャリストだと
思うのですが、いかにも当たり前のように描かれていました
がそれぞれの役割など見ているほうとしてはさっぱりだった
ので置いてけぼりな感があったのがもったいなかったです。

これまでの映画にはなかった設定と世界観だったにも関わらず、
この世界の究極というか深層にまで話は及んだという意味では
オープニングのような衝撃的なものではなく夢の中に潜入する
ことがどのようなものか、軽い説明的なショートエピソードを
踏まえた上で本編の展開にしたほうが見ている側としてもっと
鬼気迫る緊張感を感じることが出来たんじゃないかと思います。