灰色の空のむこうには…

いつも会社への出勤途中のバス停で会うおばさんとは、
相変わらず顔を合わすと世間話をしてバスが来るのを
待っています。


おばさんはバス停から徒歩５分のマンションに住んで
いるので、いつもバスの到着時刻の２分ほど前に着く
感じで来られてまして、そこのバス停に来るバスは
だいたい遅れてくるのでぎりぎりでも問題はないのです
が、それでもたまに定刻通りに来たりするのです。

で、ここしばらく僕が休みだったり、たまたまバス停
の前を通過する前日に社用車で直帰した会社の人間に
拾ってもらったりしてお会いしてなかったのですが、
ひさびさにお会いしますとわたしにもバスの接近情報
の見方を教えて下さいと言われました。

いきなり言われましたので何かあったのか尋ねますと、
どうやら僕がお会いしてなかった間にバスが時間前に
来てすでに行ってしまったときがあったらしく、乗り
損ねてしまったので接近情報でチェックしたいとの
こと。


このバス接近情報とは大阪市営バスのサービスでして、
ＱＲコードを携帯で読み取るとアクセス出来まして、
そのバス停にまでどれくらいバスが近づいてきている
のか教えてくれるというもの。

乗降者数が多いバス停には電光掲示板やらランプで次
のバスがどこまで来ているのか表示してくれるものも
あるのですが、そのバス停はあまり利用する人が少ない
ためか、昔ながらの時刻表しかないバス停のために
すでに通過したのか、まだ来ていないのかなんて微塵も
わからないものになっているのです。

そのため僕も大人買い先輩もそのバス接近情報は必須
のものでして、たまに利用して話していたのでおばさん
も知っていたのです。


とりあえず携帯のバーコードリーダーでＱＲコードを
読み取ってからの操作になるのでやってみて下さいと
言いますと、おばさんは？的な感じでバーコードって
どうやって読み取るの？と携帯を触ってもよくわから
ない様子。

僕もあんまり携帯には詳しくはないのですが、僕の携帯
での読み取り方と同じようにしてみたらあるかもと説明
すると、運良く同じところにあったのでおばさんが読み
取ろうとしたところ、上手いこと使えず結局僕に携帯を
預けて僕がすることに。

携帯を渡されてちょうどバーコードを読み取ったところ
でいつもより早い定刻通りにバスが来たため、その画面
を保存しておばさんに携帯を返して続きはまたと言って
バスに乗り込んだのですが。


バスには他の乗客の方もいるのでばらばらの席に座って
大人しくしているのですが、さすがに今日はバスに乗って
からもおばさんは携帯をいじっては首を傾げていたので、
またと言わずにその場で説明しておきました。

いやはや、それにしても名前も知らないバス停で会う
だけのおばさんに続きはまたと言えるなんて、なかなか
面白いなぁと後になってしみじみ思いました。