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灰色の空のむこうには…

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2012.12.12
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カテゴリ:本の話題

STEINS;GATE 閉時曲線のエピグラフ 通常版


――岡部は…私のこと、覚えてて…くれる?


2010年11月。β世界線。これは岡部倫太郎が、7月
28日に牧瀬紅莉栖を救えないまま戻ってきた後の物語。

倫太郎は紅莉栖への想いもタイムマシンへの情熱も封じ
こめ、ラボへもほとんど足を運ばず、ごく普通の大学生活
を送るようになっていた。

そんなある時、大学のセミナーで一人の女性と出会う。
その女性の名前は比屋定真帆。紅莉栖と同じヴィクトル・
コンドリア大学脳科学研究所の研究員で、セミナーにて
講演を行うレスキネン教授の助手として来日したのだった。

そのレスキネン教授が研究している『Amadeus』と呼ば
れるシステムが、やがて自身を再び陰謀のはびこる世界へ
と導くことになるとは、このとき岡部はまだ知らなかった。

そう、そこに『彼女』は今もいる――


ここ最近読んだ作品の中で、僕的に一番ヒットだったこの
シュタインズ・ゲートシリーズの完全新作シリーズが発売
されたのですが、どうにも一般書店では取扱いがなかった
ために入手するまでは時間がかかったのですが、どうにか
読み終えることが出来ました。

時系列的にオリジナル小説である「シュタインズ・ゲート」
下巻のβ世界線での話でして、本編のストーリーとしては
過去に戻ることでこれまで語られることのなかった運命の
残酷さを目の当たりにして心折れた主人公のその後の話が
描かれています。

本来ならこの後に主人公がある人物からのメールで再び
立ち上がり、誰もが幸せに暮らせるシュタインズ・ゲート
の扉が開くことになるのですが、その道に至るまでの過程
が取り上げられているだけにこれまで幾度となく繰り返した
世界線での苦渋の決断と、ここへ着くまでに切り捨ててきた
ものへの悔恨がわかるだけに、読んでいるだけの立場でも
心苦しくなってくるものがありました。


そんな未来への希望もない色褪せた世界の中でも、その中で
精一杯今だったり未来へ向けてだったり生きようとする人
たちの力強い姿を見てますと、何だか勇気付けられる気が
しました。





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Last updated  2012.12.12 23:02:53
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