灰色の空のむこうには…

僕らの仕事のひとつに売り場を作るというものがあるのです
が、たいてい仕上げにはそのコーナーを目立たすために看板
を付けています。


その看板はメーカーさんが作ってくれたものもあるのですが、
メーカーさんのだと自社製品でしかも１ジャンルのものしか
作ってない場合が多く他のコーナーがスカスカになるため、
うちの会社でも看板を作って持って行くことがあります。

たいていコーナーの看板となると９００ミリ幅のものになる
のですが、大きなコーナーがあったりするとその看板が２つ
分の１８００ミリになりましてそれ以上になるとさすがに
車へ積み込みするのが難しくなるので、マックスのサイズは
それくらいまでです。

この１８００ミリのコーナー看板、作るのはそんなに問題は
ないのですが、どうにも保管しておくのが難しく、自分の机
の横に立てかけておくと邪魔になり、かと言って先に車へと
積み込むのも外回りから帰ってから内勤してるときに作ったり
したら億劫になるので、壁に立てかけたり机の横に倒したり
して置いておくのです。


今日も店回りから帰ってきて内勤しているとき、ふと用事を
思い出して僕の隣の乙女先輩の席を経由して通って行こうと
すると、ちょうど横を通過しているときガン！と足元に衝撃
が。

見ると、そこには先輩が作った１８００ミリ幅の看板が横に
倒されて置かれていまして、先輩の陰で見えずにあった看板
に僕が激突したみたいです。

それを見た先輩に、うちの看板壊さんといてやーと言われて
しまったのですが、用事を終えてまた机に戻った僕は内勤を
してますと、しばらくすると乙女先輩が上司に呼ばれたので
そっちのほうへ行こうとしますと…。


ガン！とこれまた音がしたので、何があったのかとそっちを
見れば乙女先輩が看板に蹴躓いて、うちも引っかかったわー
と照れながら言っていたのです。

置いた本人まで引っかかるとは何て恐ろしいトラップだと
いうことで、また負傷者が出ては危険だと判断した僕はすぐ
さま壁のほうへ移動して立てかけておくことにしました。