|
カテゴリ:本の話題
石田三成 悪しざまに罵るやつは罵るにまかすがよい、 ――ああ双頬の涙、一滴たりともわが身の ために流した覚えはない 死の床にある秀吉をめぐって、北政所と淀殿、石田三成と古参 の武将たちが激しく対立。慎重に時を待つ家康の巨大な影が、 無言の圧力となって人々を脅かす。 趣味で城巡りをしているうちに、それまであまり戦国時代には 興味がなかった僕でもさすがに歴史というか流れを踏まえた上 でお城を見ないことにはさっぱりわからないということもあり、 ちょこちょこ戦国時代の本を読むようになる中で、一番興味を 覚えたのは石田三成でした。 そこで戦国時代好きな名乗らんさんに石田三成の本があれば 貸してほしいとお願いしたところ、渡されたのが本書だったの ですが、渡されたときに不完全燃焼な気持ちになると言われた のがそのままピタリと来る、後味の悪い読後感でした。 というのも実はこの本、作者の方が新聞連載で執筆している 途中で戦争へと出征されて、無事に帰って来られた後も続きは 書かれなかったもので、物語としても太閤秀吉が死の間際の病 に伏せてから太閤の葬式までのことを切り取っただけでなく、 タイトルは「石田三成」にも関わらず、物語としては300 ページ強あるのに肝心の三成は半分以下くらいしか登場しない というもの。 もっと石田三成のその人となりを僕としては知りたかったと いうのが本音だったのですが、それでも関ヶ原の戦いへ至る こととなった武将たちの確執を克明に描き出しているという 意味では、これまでにない角度からのアプローチだっただけに それなりに楽しむことは出来たのですが…、なんともここで 終わるか!?と突っ込みたくなるような最後でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.06.02 00:02:19
コメント(0) | コメントを書く
[本の話題] カテゴリの最新記事
|