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灰色の空のむこうには…

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2013.05.30
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カテゴリ:本の話題

石田三成


悪しざまに罵るやつは罵るにまかすがよい、
――ああ双頬の涙、一滴たりともわが身の
ために流した覚えはない



死の床にある秀吉をめぐって、北政所と淀殿、石田三成と古参
の武将たちが激しく対立。慎重に時を待つ家康の巨大な影が、
無言の圧力となって人々を脅かす。

趣味で城巡りをしているうちに、それまであまり戦国時代には
興味がなかった僕でもさすがに歴史というか流れを踏まえた上
でお城を見ないことにはさっぱりわからないということもあり、
ちょこちょこ戦国時代の本を読むようになる中で、一番興味を
覚えたのは石田三成でした。

そこで戦国時代好きな名乗らんさんに石田三成の本があれば
貸してほしいとお願いしたところ、渡されたのが本書だったの
ですが、渡されたときに不完全燃焼な気持ちになると言われた
のがそのままピタリと来る、後味の悪い読後感でした。

というのも実はこの本、作者の方が新聞連載で執筆している
途中で戦争へと出征されて、無事に帰って来られた後も続きは
書かれなかったもので、物語としても太閤秀吉が死の間際の病
に伏せてから太閤の葬式までのことを切り取っただけでなく、
タイトルは「石田三成」にも関わらず、物語としては300
ページ強あるのに肝心の三成は半分以下くらいしか登場しない
というもの。

もっと石田三成のその人となりを僕としては知りたかったと
いうのが本音だったのですが、それでも関ヶ原の戦いへ至る
こととなった武将たちの確執を克明に描き出しているという
意味では、これまでにない角度からのアプローチだっただけに
それなりに楽しむことは出来たのですが…、なんともここで
終わるか!?と突っ込みたくなるような最後でした。





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Last updated  2013.06.02 00:02:19
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