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カテゴリ:本の話題
STEINS;GATE 無限遠点のアルタイル たとえ、何回、何十回、何百回ダメだったと しても…… 何千回、何万回、何億回と挑んで、何もかも 全て救ってみせる。 ラボで催されたクリスマスパーティーのさなか、突如発動 したリーディングシュタイナーによって、岡部倫太郎は 戦火に燃える日本を垣間見る。 倫太郎が再び世界線を跳躍したことに気づいた鈴羽は、 自分の使命に協力するよう倫太郎に迫るが、紅莉栖を助け られなかった絶望が、運命に抗うことをためらわせる。 だが、世界は無情にも倫太郎を再び過酷な運命と導いて いく。 鈴羽、ダル、そして真帆。それぞれの思いが、閉ざされた 倫太郎の心を揺り動かす。そして倫太郎をもっとも身近で 見守りつづけたまゆりも、ある決意をその胸に宿す。 かつてまゆりを救い、そして今に至るまでを導いた狂気の マッドサイエンティスト・鳳凰院凶真。倫太郎の中で眠る その男を目覚めさせるため、まゆりが選択するものは。 そして、世界はひとつの“執念”へと収束する――。 このシュタインズゲートシリーズの作品を読んでいますと、 目的としては過去改変した世界線を元に戻すだけでなく、 さらなる高みにあるシュタインズゲートを開くという単純 明快なものなのですが、そこに至るまでの過程にさまざま なドラマがあり深く考えさせられるものがあります。 前巻から引き続きシリーズ最終巻となる本巻も、身も蓋も ないことを言ってしまえばそんなシュタインズゲートに 至るためのただの通過点でしかなく、こうした失敗の世界 を経てより良い世界へと導こうとするのですが、それを 体感出来るのはリーディングシュタイナーという特殊能力 を持った主人公だけであり、他の人たちはそんな世界が あることを願って今いる世界線を生き続けるというもの です。 つまりは、主対的に見るか相体的に見るかで物語の受け 止め方は全く違ったものになり、アニメ版や原作が主体的 に描かれているとすれば、本シリーズは相対的ないわば 失敗した世界について描かれているという点では、物語 としてまったく意味はなさないところに価値を見出すこと が出来るというのはなかなか妙味だと思います。 終わった世界、自分たちの理想が実らない世界を生きざる を得ないラボメンメンバーたち、結果はわかっていながら より良い未来がいつか訪れるために希望を見失うことなく、 前を向いて戦い続けるその姿は、見ていて目頭が熱くなる 思いにさせられました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.12.12 18:24:07
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