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カテゴリ:母と私
今日は、母の思い出話です。
戦時中、母が20歳のころでしょうか? 当時、夕張に住んでいた母は、町内会の方から依頼があり、 「兵隊さんへの慰問袋を作ってください。」と 母たちの年頃の女性は嫁入り修業の一つとして、お裁縫を 習っていたのですが、その10人くらいの仲間の人たちに 兵隊さんへの励ましのために各人が慰問袋を作るようにと 母は日本の国を守る方たちのために作ったそうです。 中味は日持ちのする食べ物、乾物類やお菓子など、そこに 手紙や自分の写真も入れたそうです。 母も妹と一緒に写した写真を入れて誰に届くか、分からない 手紙を「兵隊さんのお陰で私たちが守られています。 お元気でお帰りください。」と書いて送ったそうです。 その後、母の慰問袋を受け取った兵隊さんから返事が来た そうです。 内容を思い出すと兵隊さんが、その慰問袋がとても嬉しく、 辛い戦地で心の励みになっていたようで、ほのかな恋心を 感じさせるものであったと当時を思い出し語ってくれました。 母はその後、父との縁があり、嫁いだのですが、終戦後、 母の書いた手紙の住所をつてに母の実家にその兵隊さんが、 尋ねてきて、「もう嫁いだ」と母親から聞かされ帰って行った そうです。 母は「もしその人と縁があったらどんな人生であったろうね?」 としみじみと私に話してくれました。 終戦後もう61年が経っているのですね。 当時、皆が苦しく悲しい大変な想いを体験し、その困難を 乗り越えてくれた、お陰で今の私達が幸せに暮らしている ことに感謝し、戦争体験者が少なくなってきたことを想い 記憶にとどめておきたいと感じました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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