海から見た東北地方の過去と未来 (3) ~東北の未来(森林資源)
『森林資源 日本の人口は1億2777万人(2005年)、東北地方の人口は合計964万人で、全国比でいいますとおよそ7.5%。日本の面積は377,915km2東北地方の面積は66,890km2で、全国比だとおよそ17.7%。日本全体の森林率はおよそ67%で、これは熱帯雨林の途上国を除けば、フィンランド75%、スウェーデン70%に次いで世界3位と、かなり多い方です。東北地方全体での森林率は日本全体より若干多い70%。ちなみに世界の平均は30%です。よく環境先進国として取り上げられるドイツやスイスは30%程度、デンマークは10.7%であることを考えると、日本は森林資源に恵まれた国なのです。http://www.shinrin-ringyou.com/forest_japan/menseki_japan.php これを人口一人当たりの森林面積としてみますと、日本全体では2,000m2/人、東北地方全体では4,900m2/人と、日本全体の2.5倍あることになります。森林率がそう変わらないわけですから、これは人口の寡多による違いですね。世界的に見ますと、フィンランドの48,100m2/人、スウェーデンの35,100m2/人は別格としても、ドイツの1,400m2/人、スイスの1,700m2/人、デンマークの852m2/人よりも日本の人口一人当たりの森林面積が広いことになります。人口がずっと多いにもかかわらず。ところが木材生産量となるとドイツの1/4。いかに自国の木材を使わずに外国産の木材を輸入しているかということの証左といえましょう。 石油はエネルギー資源であると同時に材料資源でもあります。森林資源もまた古くからのエネルギー資源であると同時に材料資源です。脱石油を考えるときに森林資源が豊富であることはたいへん貴重なことであると思われます。石油が手に入らなくなり統制品となれば、庶民が暖房や調理に利用できる熱源は天然ガスや電気の他、薪や炭といった森林資源となるでしょうし、プラスティック製品の代替としても森林資源は見直されることになるのではないでしょうか。脱石油時代の物流 石油の生産がピークを迎え、需要は減らないのに生産が減れば、石油価格は高騰します。現在の原油高は金融破綻によってマネーが物に退避しているからというのもあるでしょうが、基本的に石油生産が減少してゆく以上、多少の上下はあっても長期的には加速度的に暴騰し、いずれ庶民の手には入らなくなるでしょう。今年早々に原油価格は1バレル100ドルを超えました。中国では自動車免許取得者が1億人を超えマイカー時代が到来したそうです。私は石油が統制品になるまであと20年と想像しているのですが、どうでしょうか。 石油が手に入らなくなれば、移動や輸送はどうしましょう。最も効率がよいのは電車・ディーゼル気動車・コンテナ船・貨物船で、普通トラックの1/6~1/5、小型トラックの1/9~1/8の熱量消費です。石油を燃焼させてエネルギーを得るのではなく、電気的にエネルギーを得るアルコール燃料電池搭載船(水素船)があればさらに効率よく、かつ石油に依存することなく航海できます。海外との交易だけでなく、現在はトラック中心となっている国内の長距離輸送も、江戸時代の東廻り航路・西廻り航路のように船で結ぶというのはいかがでしょう。ひょっとすると昔のように河川輸送も再び盛んになるかもしれませんね。 港湾を基点として、そこから先は鉄道で運ぶ。電気は発電・送電段階で効率が落ちますので、もちろん自然エネルギーによるマイクログリッド直流送電です。電化されていない路線はバイオディーゼル気動車ですね。これもバイオハイドライド燃料電池電車ってことになればいいですね。2006年に富山市が本格的ライトレールを導入しましたが、路面電車も有望です。ここにキャパシタ技術を使ったキャパシタライトレールなら、停車場で数十秒充電すればあとは電線無しで運行できますよ。そこから先の陸上輸送はさし当たり自転車・リヤカー・大八車などの人力と牛馬ですね。燃料電池トラックやキャパシタトラクターの広い普及はまだ先ではないでしょうか。』(http://www.teamrenzan.com/archives/readers/takahashi/tohoku_region_3.html)(以上)