命について。
(続き)そうして、故人の命は受け取った人の行動で世をめぐる。からだは土に還り、それもまためぐりゆきます。そういうふうに考えると、命は水に似ているのかもしれません。水は根より樹に入れば、一本の樹という個、人に飲まれれば、一人の人という個として認識されます。そして、個を超えて絶えず出入りしている。出会い、会話というのは、そういう部分、命の交流でしょう。からだという器が物質としての限界を迎え、滅びたならば、水は、命は個を離れ、またどこかへ旅立っていくでしょう。命と水の確固たる違いは、命は物質ではないので、時間も空間も超越するという点です。時が立って、心の器が養われ、故人のことを思い返したとき、すでに亡くなった故人の命を受け取ることも可能。その時は気づかなかったけど、後になって気づき、涙が止まらん、という経験は誰しもあることでしょう。命は無限。個にして全。(命と心は同じか?という疑問が浮かびます。が、それについてはまたいつか。)(続く?)