自然エネルギー?
先日、自然エネルギーに関する講演を拝聴。原発の危険性が少なからずあらわになり、自然エネルギーに目を向ける人が多くなっていることは事実かもしれない。ここぞとばかり、自然エネルギーのセールスもだいぶ力を強めているようだ。講演内容によると、世界でみると、風力、太陽光発電というのは、ヨーロッパを中心に右肩上がりで随分景気がいいらしい。ところで、セールスとか、景気、というやや棘を含んだ言葉が出てくるのは、私がひねくれものであり、巷で言うところの自然エネルギーに、諸手を挙げて賛成することはできないからである。原子力に変わり、風力発電ということで、その分巨大な風車が何本も立てば、風の流れ、気流はどうなるのだろうか。太陽光発電ということで、光の散乱率が地球規模で変わってくれば、地球はどうなるのだろうか。もちろんどうなるかは誰にもわからない。脱原発へ踏み出すことは確かに必要である。しかし、原子力エネルギーから自然エネルギーという転換は、ただ対症療法を変えるに過ぎないのでは?お薬を変えてみましょう、のレベルに過ぎず、一時は事態が改善したように見えても、また悪化を繰り返す。根本的な問題解決には遠い、という話だ。結局、からだを、地球を蝕む元凶は、同じく、人の、私の依存心なのだろう。畑仕事や海での採集をしていると、雨、風、土、太陽、さまざまな自然の恩恵に気づく。膨大な自然のエネルギーを更に搾取しようというのは、卑しい話では?個人が消費を減らすことなくして、依存心からの脱却=人間的成長なくして、エネルギー問題(他の問題もそうだが)は決して解決しないだろう。原子力に変わり、自然エネルギーという別の餌をぶら下げられて、すぐにかぶりつくほど愚かでありたくは無い。そういうところを原子力の一件で民は学んだのではなかったか。いいですよ、いいですよ、といいことばかりいう者には気をつけろ、と。講演の後半、質疑応答には時間の都合参加することができなかったが、自然エネルギーのマイナス面については表に出てきたのだろうか。