数値の奴隷。
医学論文のデータ改ざんという記事を新聞で目にした。最近やっとこさ表に出てきているようだ。 ゴキブリを一匹発見すれば、何百匹と潜んでいるように、これも氷山の一角、世の数値は果たしてどれだけ信頼にたるのだろうか。 はっきり言って、数値などに信頼性などない。 そうおぼろげに感じたのは、大学時代である。 友人はこともなげにデータを改ざんしていたし、教授にしても、都合の悪いデータは切り捨てていたから。 こんなものが積み重なって表に出てくるものなど、事実からはおおよそ遠いところにあるだろう、と察した。 しかし、科学的根拠などという幻想、机上の空論を大切にする現代。数値を信頼する傾向は強い。 他のことならともかく、医療においては、その数値に患者は自分の命を(結果的に)預けている。 それで、医者も患者も、安心、という幻想の中にうずもれ、徐々に事態は悪化してゆく。数値にとらわれて、からだの声を聴こうとしないから。 ありえないですよ。 自分の心、からだ、は数値にはできない。 そんな尊厳を自ら放棄するのか?自ら数値の奴隷に成り下がるのか?