大阪
先日、大阪に行きました。自分の中では17の時に家出して、大阪は心の中で汚いものに蓋をするように、しまっておいたものです。この15,6年の間に、3,4回しか行かなかった。それも、自分の一番嫌な場所は避けて、あくまでも観光地としての大阪しか見ませんでした。それが、この前はふとなぜか心が軽くなり、自分の住んでいた場所や街が見たくなり、禁断のその部分に行ったのでした。話は少し長くなります。大阪では今は知らないけれど、文化住宅というものがあります。昔で言う長屋だけど、2階建てになっていて、玄関が独立しています。僕は小学生まではぼろっちいアパートでしたが、中学からはその文化住宅の2階に父と二人で住むようになりました。6畳と4畳半の2間とトイレと流し台だけ。小学生の時はまだ父より弱かったけど、中学生になると体も大きくなり、父ともよく喧嘩しました。ふすまを隔てて、奥に僕はいたのですが、トイレは奥にあり、僕の場所を父が通って、トイレに行きます。父は飲んだくれで、足が悪かったので、生活保護をもらいながら、毎日酒を飲んで暮らしていました。何度も入退院を繰り返し、酒が原因でよくけんかしました。高校になると、父から離れたくてどうしようもなくて・・・ある日、寝ていたら朝早くに、外で車の急ブレーキの音と、何かがぶつかる音。気になって起きて、流し台のところの窓から覗こうとする。父は部屋にいなくて、少し不安がよぎる。窓を開けると、外には倒れた自転車と人だかり。よく見えなかったけど、近所のおじさんが窓から見下ろしている僕に向かって、「真也!!おまえの父ちゃんや!!」と叫び、僕は慌てた。この続きは明日書きます。