タンポポの会を主催されている岡崎和子さんが発行されている、タンポポ通信より抜粋して転記しております。
岡山名物 備前ばらずし
腹をたてた酔っ払いが濁酒(さけ)をぶち込んで「ばらずし」が生まれ、殿様の目を盗むための
悪知恵jから重箱に隠して豪華に仕上げた」の言い伝えはともかく
岡山の先人たちが豊かな山海の恵みを巧みに処理し、調和させた「備前ばらずし」はまさに郷土の珠玉である。
しかも
岡山のばらずしは、かつて姑から嫁へ、そして娘へと代々受け継がれ、大量に作ったものを家族が揃って箸をつけ、また隣近所へも配られるなど縦横に大活躍してきた名物であった。
ちらしずしとは
以って非なるこの岡山名物が今置き去りになれようとしている。
今、改めて見直し、手塩にかけてやることで
廃れていく、郷土料理をいま、一度甦らせたいと窪田清一さん(福寿司会長)は「岡山の備前ばらすし」(日本文教出版(株))のあとがきで述べておられます。(ご自身の著書)
窪田さんとの出会いは
平成の年の阪神大震災の時、岡山タンポポの会が賛同し、会食用に120人ぶんのばらすしを
引き受け、その指導を窪田さんにしていただいたのがきっかけです。
以後会員の要望で、3、4回仕事の合間を縫って、ポイントを指導して頂き、そのご縁で民放、NHK教育テレビ、マガジンハウス「クウネル」出演、取材をに応じました。
私たちの年代は(6,70歳代)はばらすしといえば、おふくろの味と答える人が多いのでは?オリンピックで活躍した、木原光知子さん(故人)有森裕子さんも岡山に帰る楽しみを
「母がばらずしを作って待っていてくれる」と言われていました。
私のばらすしの思い出は、こども(小学4、5年から)の頃、秋祭りになると祖母が近くの山で
松茸をひいて(獲って)きて二日がかりで母と二人でばらすし(まつりずし)を
大きな飯盆(はんぼん)に一杯作り、松茸が一面に飾られていました。(今では幻のばらすしですが)
それをわざわざ、撥ね退けてお皿に盛って食べたものです。
親類が重箱に詰めて、持ち帰った後、置きの貝が無くなったばらすしを、翌日熱いお茶をたっぷりかけて
美味そうに食べていた。祖母や母を真似て食べた記憶があります。
12年前福寿司のばらすしを初めて口にした時、懐かしい母(今から30年前に他界)の味と重なりました。
それもそのはず、福寿司のばらすしは
明治の始めから太平洋戦争まで、備前から西大寺、岡山あたりの一般家庭でたびたび
作られていたものを、文献と聞き込みをもとに集約し、そのまま忠実に再現したものだったのです。
福寿司でこのばらずしを注文すると、ばらずしの説明文(食べ方、調理法
今日の素材(具)を下さるのですが、前記のようにしるしてあります。
それ以後、窪田さんのレシピ(30人分2,5升用)を概ね一升用にアレンジして毎年のように春、秋のお祭シリーズに
母や祖母を偲んでつくり、近隣や友人、知人、親類に配って喜ばれています。
春筍や蕗、さやえんどうが出回ってくると、ばらずしを作ろうとエンジンがかかるのです。
また遠来の友が見えると必ず福寿司へ案内したり、5、6人分注文して持ち帰って
家族と一緒に食べて大変喜ばれ、注文して、お土産に北海道や関東方面に持ち帰る人もいる程です。
毎回の旬の食材により、素材は変わるのですが、39種の素材を使ったことも。
この種類は珍しいことではありません。
福寿司
JR岡山駅西口から徒歩5分 福寿司本店 086-252-2402
悪戯電話などはしないでくださいね。
岡崎さんのタンポポ通信、ばら寿司です。
5月22日、ばら寿司を食べに行きましょう。
岡山から30分です。
集合時間など、又おしらせいたします。